中国本土在住者が海外不動産投資のために人民元を外国通貨に両替することを規制する法律が施行された。それにより、カンボジアにおける中国人のコンドミニアム購入に影響が出ていると専門家が話した。

今月1日から、中国本土において、銀行での外貨両替の規制が厳しくなり、違法な人民元流出に関する罰則も強化された。

現在、中国本土の銀行で現金の引き出しを行う場合、外貨両替の理由などを申請書に記入しなくてはならない。

以前は、中国国民は最大5万ドルの海外送金を法律で許可されていた。新たな法律でも5万ドルという数字は許可されているが、外貨両替の目的の申告が義務づけられており、不動産投資目的は許可されていない。
 
最近のブルームバーグの報告書でも2017年から中国本土で預金引出を行う際は外貨両替が海外不動産投資、保険、投資型保険が目的ではないことの誓約書に署名しなくてはならないと明らかにされた。出張や海外研修など使用目的の詳細な説明を記載しなくてはならないという。

さらに、中国国民は現金を引き出す際、お金を他人との貸借りに使用するものではないことを確認しなければならないという。
一方で、法律違反者は監視対象となり、最大3年間外貨両替ができなくなり、資金洗浄などの捜査対象になる。

中国人の海外不動産取引額は2020年までに世界で総額2,200億ドルにのぼることが予想されていると海外での不動産投資を模索している中国人向けの不動産情報サイト「Juwai.com」が明らかにした。

しかし、カンボジアの不動産業界の専門家はカンボジアのコンドミニアムとその他の不動産市場の中国人投資家はすぐに新しい法律の抜け道をみつけるとの見方を示した。


TK Squareのマーケティングマネージャーであるシン氏は「中国からカンボジアの飛行機はいつも不動産投資家で埋め尽くされている」と話した。

「中国人投資家はカンボジアに来て海外不動産投資の為にお金を運ぶ方法を模索している。人民元の価値が最近下がり、中国人が海外投資目的に米ドル建てが可能なカンボジアにお金を出すことは自然な流れだ。」とシン氏は続けた。

さらにシン氏は新しい法律の抜け道は複数あると加えた。

「カンボジアの中国人デベロッパーは中国に親会社を持っていることが多い。資金は中国に保持されてしまうが、親会社の存在は今回の新しい法律の抜け道となり得る。しかし、海外不動産は依然として中国人バイヤーによって購入されている」とシン氏は話した。

「中国からの海外送金ができなくなったとき、カンボジアにいる中国人投資家は資本の移動を管理する金融会社を利用し、中国国内の規制をかわすだろう。しかし、その方法は合法かもしれないし、違法かもしれない」と同氏は続けた。

中国本土の投資家はグレーゾーンの銀行を利用し、海外送金をするなどとして法律の抜け道を見つけることが多い。

それでも中国政府が規制を厳しくし、人民元の強さを維持するのは当然である。

シン氏は「中国に影響を与える経済危機をさけるための努力だ」と話した。

カンボジアの不動産開発管理会社であるNC Max Worldのプロジェクトマネージャーのチャオ氏は中国人投資家はカンボジアの住宅市場にあまり興味をもっていないとの見方を示している

「ショールームの外に中国人の列ができている光景を目にしたことがない。中国の不動産投資家はアメリカやカナダ、オーストラリア、タイなどをターゲットとしていて、カンボジアではない。今まで得てない投資家なので失うことはない。」とチャオ氏は話した。

「私はカンボジアの賃貸住宅市場の方が心配だ。ほとんどのコンドミニアム購入者は投資目的でコンドミニアムを購入している。我々にはテナントで空室を埋めるため、中国人の中間管理職員が必要だ」とチャオ氏は続けた。


香港を拠点とする不動産コンサルティング会社のラム氏はサウスチャイナ・モーニング・ポストに対して最近、「中国の新たな規制は海外に資産を逃がそうとしていた中間層に影響を与えるだろう」と話した。

さらに、「しかし、富裕層に関しては影響が出ているとは思えない。富裕層はすでに海外に銀行口座を保有しているからだ。」とラム氏は続けた。

Cambodia Investment Management社のガリアノ氏は「中国政府は8年半ぶりの元安水準や外貨準備高が5年ぶりに低水準になるなどの重要な財政的問題に直面している。約7,620億ドルの資本流出と多くの資金洗浄が2016年に起きたと予測している」と話した

「中国経済が成長率低下に悩む一方、資本流出はカナダやアメリカ、オーストラリア、東南アジアなどの市場に対して支えとなっている。政府にやっている規制強化は資本流出を安定化させ、さらには削減できる」とガリアノ氏は続けた。

「今回のカンボジアの住宅市場への影響はカンボジアにおいて中国人投資家が主要なバイヤーではないことを示すものではない」とガリアノ氏は続けた。

「最終的に、新しい規制の施行は中国政府の外貨両替の管理能力次第だ」とガリアノ氏は加えた。