コンドミニアム プロパティマネジメントの闇

コンドミニアム プロパティマネジメントの闇
2017年01月13日 00時00分 公開
コンドミニアム プロパティマネジメントの闇



不動産に関する資産管理業務を意味するプロパティ・マネジメントの質が悪いことが今後、新規開発市場における投資家の心理状態を不安定にする恐れがあるかもしれない。

2017年、プノンペンにある多くのコンドミニアムの建設が完了し、不動産業界は入居者を獲得できるかどうかを注視するようになるだろう。

より具体的に言えば、どれだけプロパティマネジメントをうまくできるかということだ。

カンボジアは昔から、家族経営のビルが多く、管理維持費を徴収することで運営をしていることが多い。しかし、200ユニット以上のコンドミニアムではこのビジネスモデルが一番良いのかもしれない。

「プロパティーマネージャーやエンジニア、オペレーションマネージャーであろうが、問題は全体的に人材不足が起きていることだ」とKeystone Property Consultantsのサニー・ソー社長は話した。

「カンボジアはプロパティ・マネジメント業界が成熟している中国やタイ、ベトナムと違い、カンボジアでは深刻な人材不足が起きている。」

CBRE Cambodiaのシモン氏はこれに同意した。

「カンボジアには経験を積んだプロパティ・マネージャーは数える程度の人数しかいない。カンボジアが最近の急成長まで貧困国であったことを考えればこれは当然のことかもしれない。」とシモン氏は話した。 

「カンボジア人は過去の世代から学ぶことに価値を見いださない傾向がある。しかし、プロパティ・,マネジメントでは知識より経験が勝る。一方で、法律面ではカンボジアにはグレーゾーンが多くある。白黒はっきりしていることより、グレーなことの方が多い。法制度の構造的弱点があることにより、サービス料金を払いたがらないオーナーやテナントが多い。もし、プロパティマネジメントのお金がなくなった場合、電気は消灯されるし、エレベーターは故障しても修理できない。またスタッフも離職してしまう。このような要素を考慮すると、プロパティマネジメント業界は非常に課題の多い業界だ。」とシモン氏は続けて話した。

ソー氏もこれに同意し、「デベロッパーの管理維持費の徴収額の期待値と現状には差があり、期待値はほぼ達成できないものだ」と話した。

Sok Siphana & Associatesのマシュー氏は「オーナー経営の法人文化の発展が必要だ」と話し、「法人文化の発達なしでは、デベロッパーが永続的に管理しなくてはならなくなるか、管理不足により、荒廃してしまう恐れがある」と続けた。

多くのコンドミニアムの建設が終了したとき、プロパティマネジメントシステムが適切でなかった場合、リスクを抱えるのはエンドバイヤーだ。

「そもそも、高級コンドミニアムや質の高いプロジェクトは外国資本のマネジメント会社を採用している」とPrincipal Consultant at Raffles Strata Management (Cambodia)のベニー・タン氏は話した。

「バイヤーはマネジメントが行き届いていない不動産に対する市場の需要を注視し、今後、必要な決定を早い段階でするべきだ。」とタン氏は続けた

シモン氏はこれに対して別の視点から主張した。

「安価な不動産を購入した後に、その不動産に対して不満を言うべきでない。購入者が自分の意志で購入している。プロパティマネジメントに対しても同様だ。もし、デベロッパーがコンドミニアムを安いサービス料で販売してきた場合、プロパティマネジメントの質が良くないことを認識し、自信の投資がリスクをはらんでいることを認識しなければならない。コンドミニアムで1平方メートルに対するサービス料金が1ドルの場合、それは低すぎる。バイヤーはデベロッパーのプロパティマネジメントに対する予算編成を確認するべきだ。」と主張した。

 Sok Siphana & Associatesのマシュー氏はバイヤーは合意する前に細かく確認すべきだと話した。「デベロッパーが現在どのようなプロパティマネジメントを行っているのか明確にするため、契約書を細かく確認することを強く勧める。 これは、建物の質、デザインと同じくらい重要なことだ。契約書でこの点が不明確な場合、気をつけなければならない。」と続けた。

さらに、「バイヤーはデベロッパーの過去の開発事業を調べ、どこまでプロパティ・マネジメントがうまく進んでいるか確認するべきだ」と加えた。



James Whitehead, Director of Content @ Realestate.com.kh 
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