日本人収集家、カンボジアに古代の遺物を返還

日本人収集家、カンボジアに古代の遺物を返還
2019年07月08日 00時00分 公開
日本人収集家、カンボジアに古代の遺物を返還

日本人収集家の自宅で20年間保管されていた千年前のカンボジアの古代遺物が、カンボジア国立博物館に返還されたという。


返還されたのは小さな銅でできた遺物から仏像とヒンドゥー教のシヴァ像、瓶つぼ、陶器、宝石など85点だ。カンボジア文化芸術省は遺物の中には西暦800年頃に始まったアンコール時代よりも古いものも含まれているという。その他は、アンコール時代または14世紀後半の遺物であるとされている。

 

カンボジアは近年、1970年代の内戦で略奪された遺物を回収するために力を入れている。

 

5日、公式の場で文化芸術省国務長官Prak Sonnara氏は日本人コレクターが自ら遺物を返還してくれたことを賞賛した。同氏は自ら遺物を返還した日本人コレクターの行動は、他国や他のコレクターも見習うべきだと述べた。

 

日本人コレクターのTakakuwa Fumikoさんは夫と共に日本で遺物を購入し、家で遺物を集めて展示するのが趣味だと引渡し式後に記者たちに述べた。夫婦は遺物がカンボジアで見つかったものだと知っていたことから返還を決断したと言う。


「私の夫は亡くなる前に遺物はカンボジアに返還する必要があると言った。そして今日、返還できたことを嬉しく思う」と高桑さんは述べた。


Prak Sonnara氏は85個の遺物は内戦中にカンボジアの寺院から盗まれ、その後遺物が近隣のタイに密輸されたと言う。

 

1993年にカンボジアでは政府の許可無く、文化的遺物を持ち出すことを禁止する法律が制定されている。それ以来、海外に持ち込まれた遺物の所有者には、法律により返還を求めている。遺物の世界では1970年以降に、古代の人身売買を対象とした国連の文化協定には、明確かつ有効な文書なしに作品が輸出されると違法として扱われる。


2014年には、1000年前にヒンドゥー教の神話について描かれた3つの彫像が寺院から略奪されたが、西洋美術コレクションに送られた後、カンボジアに返還された。


また、2013年には、10世紀に作られたとされる2つのカンボジアの石像がニューヨークのメトロポリタン美術館で20年近く展示され、その後カンボジアに返還された。

 

出典:AP NEWS

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