密輸対策 陸路による石油輸入を禁止

密輸対策 陸路による石油輸入を禁止
2016年12月29日 00時00分 公開
密輸対策 陸路による石油輸入を禁止

カンボジアは陸輸送による石油製品の輸入を1月1日から禁止するという。カンボジアの国境に沿って行われる密輸入を撲滅し、関税の徴収を効率よく行う狙いがあると関係役員らが昨日発表した。

2016年12月20日、税関総局(GDCE:the General Department of Customs and Excise)は石油の陸路による輸入禁止を発表。海上輸送を通して製品を輸入している石油会社は、国内当該地域の輸送媒体やインフラ整備のおかげで、全国的に海上輸入のネットワークを広げることができるという。効率的に陸路輸入の必要性をなくしていく構えだ。
GDCEの役員の一人は昨日、「今回の輸入の禁止は、カンボジアにおける石油の供給や価格に影響を及ぼすことはないだろう。流通事業者は、海上輸送による大量の石油がもたらす輸送費から関税収入を得るからだ。」と述べた。

「陸路による輸入を認めると、密輸されるケースが多々目立つ。今回の陸路輸入禁止により、カンボジア国内の石油流通網はより管理が容易になり、当局はより多くの関税収入を得ることができるようになるだろう。」と役員はコメントしている。商業省によると2015年には255万トンの石油が輸入され、前年比64%増だと報告されている。同省代表のソエン・ソファリー氏は、「数字からは、陸路と海路による輸入の規模が読み取れない。しかし、密輸の可能性が極めて高いのは陸路による輸入だ。」と述べ、「今回の陸路輸入禁止戦略で、政府が石油産業をより効率的に管理できるようになることを期待している。」と付け加えた。

大手石油流通会社の一つであるPTTカンボジアのマーケティングマネジャーであるビン・マリー・ミアリア氏は政府による今回の取り決めを歓迎すると答え、密輸の撲滅は石油流通業の質を高めてくれることに一役買ってくれるだろうと述べている。しかし、カンボジア救国党のイム・ソヴァン氏は「海路で石油が密輸されるケースもある。しかも陸路で行われるよりも大規模な密輸だ。」と指摘。「大規模な輸入には汚職が付きまとう。そうした汚職が引き起こす密輸の規模自体を減らそうという意思が政府から感じられない。」とコメントしている。

「問題は陸路か海路かではない。税関職員に密輸を撲滅させる意思がないことが問題だ。ここにきてもやはり汚職、縁故主義にあらわれるえこひいき、問題を解決しようという政府の意思の欠如が問題視される。」と問題の核心をついている。


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