<写真:Khmer Times>
世界銀行は、最新版の景気観測を発表し、今年のカンボジアの経済成長率は2.2%に下がると予測した。
しかし、来年には4.5%、2013年には5.5%まで回復するとしている。
世界銀行は、カンボジアでは感染力の強いデルタ変異株が拡大し、感染者と死亡者が急速に増加したと述べた。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大し、特にサービス、建設、不動産の分野で回復に遅れがでているという。
観光産業については、新型コロナウイルス感染が拡大する前には約200万人の雇用を創出し、GDPの4分の1に貢献したと推定されていたが、新型コロナウイルスの感染により事実上崩壊したとしている。
海外のカンボジア人出稼ぎ労働者が帰国したことにより、国内の失業率も増加しているという。
世界銀行の調査によると、カンボジア国内の雇用と収入は国内の最近の感染拡大前でさえも新型コロナウイルス前のレベルまでに回復していなかったという。
2021年3月には、世帯の主な稼ぎ手で雇用されている割合が約69%で、感染拡大前の水準より13%の減少が見られた。
また、2021年3月時点で、約45%の世帯が継続した所得の減少があることが分かったという。
カンボジアでは感染抑制のため、厳格な措置が講じられていたものの、これによる経済活動の混乱は、失業または労働時間の減少に繋がり、収入の減少を引き起こしたとしている。
世界銀行は、今後の予測について、国内のワクチン接種が加速しているにも関わらず、感染者と死亡者数が増加し続けていることを考えると、さらなる混乱のリスクは高いままだと指摘している。
さらに、貸出の増加や国内の建設部門や不動産部門への貸出の集中はカンボジアの財政安定におけるリスクであるとした。
一方で、外需が改善していることで金を除く商品の輸出が強化され、2021年1〜7月までの輸出量は前年比17%の増加が見られた。
カンボジアではインフレ率は抑制されているものの徐々に増加しており、2019年末の3.1%に対して2021年7月には前年比3.3%に達した。
名目為替レートは概ね安定しており、2021年上半期には1ドルあたり約4100リエルで推移した。
2021年5月、外貨準備高はわずかに減少の207億ドル(9か月の輸入)になり、2020年末の212億ドルから減少が見られた。
世界銀行は、カンボジアの回復は、デルタ株の蔓延により損なわれ、企業や家庭への負担を長引かせて経済成長を鈍化させ、不平等を拡大させる可能性があるとしている。
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