カンボジアの通貨はリエルとUSドル? レートや両替方法など詳しく解説

カンボジアの通貨はリエルとUSドル? レートや両替方法など詳しく解説
カンボジアの通貨はリエルとUSドル? レートや両替方法など詳しく解説

カンボジアではどんな通貨が使われているかご存じですか? 生活・旅行する上で現地の通貨を知らずには通れないですよね。カンボジアにはリエルという独自通貨があります。リエルと聞いても、日本で生活している方は耳にしたことがない方も多いはずです。カンボジアに来る予定の方たちのために、今回はカンボジアの通貨についてご説明します。

 

カンボジア独自の通貨「リエル」とは


カンボジアの独自通貨である「リエル」はカンボジア語では「រៀល」、英語では「Riel」と表記します。カンボジアにリエルが導入されたのは1953年のことです。これは、第二次大戦の終結後にベトナムやカンボジア、ラオスなどの東南アジア諸国が植民地からの独立と共に独自通貨の導入を要求したことがきっかけです。しかし、ポルポトが政権を握っていた1976年〜1979年の間は「リエル」の使用は廃止されています。

「ポル・ポト政権」とは、ポル・ポトをリーダーとする急進共産主義政権で、正式名称は「民主カンプチア」といいます。ポル・ポト政権は当時の中国の指導者毛沢東を理想に掲げ、「財産は皆で平等に分け合う」という思想のもと貨幣の使用を廃止しました。ポル・ポト政権は当時800万人いた国民の内、200万人を殺害したり餓死させたりしました。その後、ポル・ポト政権は1979年に崩壊します。

ポル・ポト政権崩壊の翌年1980年に、カンボジア国立銀行が設立されリエルが復活しました。しかし、一度紙くずとなった通貨の価値は簡単には回復しませんでした。1993年には国連の支援のもと初の民主的な選挙がおこなわれた背景もあり、ドルが使われるようになりました。


 

国内ではUSドルがメイン?


カンボジアは独自通貨「リエル」を持っているにもかかわらず、国内で主に使われている通貨はUSドルです。よほど地方に行かない限り、どの店でもドルが使えます。なぜドルがここまで浸透しているかと言うとリエルが信用されていないからです。カンボジアの経済はまだ安定していないため、リエルはいつ価値が暴落するか分かりません。そんな不安から世界的に信用されているドルが流通しています。

そのためドルを持っておけば通貨に関して困ることはありません。カンボジアに進出してくる外資系企業にとっては、ドルが通貨であれば資金調達が容易になり大きなメリットですが、カンボジア政府としては金融政策が打てません。カンボジアは通貨においても外国に依存しているのが現状です。

 

補助通貨セントは使えない?

USドルの紙幣は使えますが、補助通貨であるセントは使うことができないので気を付けてください。カンボジアではリエルが補助通貨と考えて問題ありません。

 

リエルのレートや換算方法は?


ドルとリエルのレートは基本的には「1ドル=4000リエル」で計算されます。お店によっては「1ドル=4100(もしくは4200)リエル」で計算されることもあります。「100リエル=約2.5円」という計算です。もしリエルの数字が多すぎて円でいくらなのか分からないときは、「2.5をかけて0を2つ取る」と分かりやすいです。4000リエルなら「4000×2.5=10000→100円」、「1万リエルなら10000×2.5=25000→250円」という具合です。

 

リエルの実物は?


リエルの種類は公式には20数種類ありますが、主に在住者が見かけるのは100~20000リエルの紙幣です。絵柄は新しく発行された紙幣と古いので異なる場合があります。
 

100リエル札(約2.5円)



100リエル札はお釣りでもらうことが一番多いリエル札です。適度に使わないとお財布がぱんぱんになってしまうので注意が必要です。

500リエル札(約12.5円)



500リエルには日本の国旗が印刷されています。この国旗が描かれている橋は、日本がODA(政府開発援助)で無償で作った通称「キヅナ橋」と「ツバサ橋」です。「キズナ橋」は2001年に完成した、カンボジアで初めてメコン川にかかった橋です。「キズナ橋」が開通したことで、プノンペンへの農産物の移動が容易になりました。カンボジア北東部・コンポンチャム州の観光名所の一つになっています。



「ツバサ橋」は2015年に完成し、プノンペンとホーチミンを移動するときにも通ります。「ツバサ橋」が完成するまでは、国境を越えるためにフェリーでメコン川を渡らなくてはなりませんでした。建設工事は内戦の爪痕である不発弾に注意しながらの命がけの作業だったこともあり、カンボジア人は日本に感謝の気持ちとして絵柄に国旗を印刷してくれています。

1000リエル札(約25円)



1000リエル札には若い頃のシアヌーク前国王が印刷されています。シアヌーク前国王とはカンボジア独立の父です。1945年の日本撤退後、1953年のフランス撤退後のカンボジア独立に尽力し、国民の尊敬を集めることになりました。

2000リエル札(約50円)



カンボジアとタイの国境にあるプレアヴィヒア寺院です。世界遺産に登録されています。

1万リエル札(約250円)



1000リエルや5000リエル札と同様にシアヌーク国王が印刷されています。

2万リエル札(約500円)

ノロドム・シハモニ現国王です。

 

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