カンボジアの観光戦略、ムスリム観光客誘致を強化

カンボジアの観光戦略、ムスリム観光客誘致を強化
2025年01月30日(本日)00時00分 公開
カンボジアの観光戦略、ムスリム観光客誘致を強化

〈写真:Khmer times〉

 

カンボジア政府は観光業の多様化と拡大を目指し、ムスリム観光客の誘致を強化している。観光省はムスリム向けの観光商品や施設の整備を進めるとともに、認証制度を導入し、受け入れ環境の向上を図る方針である。

 

観光省海外観光マーケティング・プロモーション局のウック・サムアット副局長は、マレーシア・ジョホールバルで開催されたASEAN観光取引会(TRAVEX)において、カンボジアのムスリム観光戦略について説明した。

 

同氏は「ムスリム観光客の受け入れに向けた準備は整っている」と述べ、主要観光地でのハラール対応飲食施設や礼拝スペースの整備を進める考えを示した。

 

プノンペンやシェムリアップ州などの観光中心地では、すでにハラール対応の設備が整いつつある。観光従事者の育成や交通インフラの改善を通じ、さらなる受け入れ環境の充実を図る方針である。

 

フート・ハック観光相は、2024年の「カンボジア・ムスリムフレンドリー観光フォーラム」において、ムスリム観光客にとって魅力的な旅行先となるための取り組みを強化すると表明した。観光省の発表によれば、2023年には30万人以上、2024年には40万人のムスリム観光客がカンボジアを訪れている。

 

観光省はムスリム観光客の受け入れ拡大に向け、ハラール食品の提供、礼拝施設の設置、清潔な洗浄設備の整備、ホスピタリティの向上を重視している。また、観光事業者に対しても、サービスの充実を図るように求めている。

 

さらに、商業省傘下のカンボジア・ハラール運営委員会(CHSC)と連携し、「ムスリムフレンドリー・ラベル」制度を導入する方針である。この認証制度により、観光関連施設のハラール対応状況を明確にし、ムスリム観光客が安心して滞在できる環境を整える狙いがある。

 

カンボジア政府は「ムスリム観光開発計画(2023-2027)」を策定し、インフラ整備や観光業従事者の研修、ムスリム対応サービスの拡充を推進している。ムスリム観光市場の成長を背景に、官民が連携し、競争力のある旅行先としての地位を確立する方針である。

 

ユーネス・ツーリズムのタレブ・ラファット代表は、TRAVEX2025において、ムスリム観光客向けの旅行パッケージを紹介した。同社は特に中東、サウジアラビアのVIP観光客向けにツアーを企画している。

 

ラファット氏は「カンボジアはムスリム観光客を迎え入れる準備が整いつつある」と述べ、シェムリアップ州のアンコール遺跡群を主要観光地としてアピールした。旅行代理店もムスリム観光客向けのホテルと連携し、宿泊施設の充実を図っている。

 

 

 

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