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<写真:khmertimeskh.com>
東南アジアで唯一、酒類購入の最低年齢規制が存在しないカンボジアで、若年層を中心に飲酒の拡大が深刻な社会問題となっている。
世界保健機関(WHO)などは、広告規制や価格政策の導入を含む早急な対策が必要であると警告している。
WHOの統計によると、過去1カ月以内に飲酒した割合は男性で70%以上、女性で約30%に達している。
特に女性の飲酒率は急速に上昇しており、1回に6杯以上飲む「過度飲酒」も若年層で増加傾向にある。
WHOカンボジア代表のアダ・モアドシリ氏は、若年期の飲酒が脳の発達に長期的な影響を及ぼす可能性を指摘している。
人間の脳は20代半ばまで発達を続けるため、早期の飲酒は判断力や運動機能に悪影響を与える恐れがあるとされる。
飲酒の影響は死亡率にも表れている。カンボジアでは死亡原因の約10%がアルコール関連とされ、西太平洋地域の平均の約4倍に相当する。
依存症や精神疾患に加え、がんの発症リスクや胎児性アルコール症候群など、さまざまな健康被害も懸念されている。
問題を深刻化させている要因として、酒類産業に対する規制の不備が挙げられる。
王立アカデミー・オブ・カンボジアの調査によると、ゴールデンタイムのテレビ広告の66%が景品や著名人の起用と結び付けて酒類を宣伝していた。
さらに、その60%が学校付近に掲出され、デジタル広告の約80%には年齢確認の仕組みが設けられていないという。
2024年7月にはアルコール度数3%以上の飲料広告を規制する省令「プラカス084」が導入されたが、実際の運用はほぼ進んでいない。
王立アカデミーの経済専門家キ・セレイヴァット氏は、消費者数が年々増加していることから、現行政策では広告の影響を十分に抑制できていないと指摘している。
WHOは、酒類の入手制限や飲酒運転の取り締まり強化、広告禁止などを柱とする対策パッケージ「SAFER」の導入を提言している。
なかでも価格引き上げのための課税強化が最も効果的な手段とされ、消費抑制と同時に医療政策の財源確保にもつながるとされる。
専門家は、最低購入年齢の設定や広告規制を含む包括的な制度改革を実施しなければ、アルコール問題による社会的・経済的負担が今後さらに拡大するとの見方を示している。
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