カンボジアの貧困層支援制度、フン・セン上院議長が不備の調査を要請

カンボジアの貧困層支援制度、フン・セン上院議長が不備の調査を要請
2025年06月05日(昨日)00時00分 公開
カンボジアの貧困層支援制度、フン・セン上院議長が不備の調査を要請

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアのフン・セン上院議長は3日、国家議会と上院の合同会議において、貧困支援制度「IDプアカード(貧困識別カード)」の運用に関する不正受給の問題を指摘し、制度の公正性確保に向けた調査を政府に要請した。

 

同議長は一部の地方において、真に生活に困窮する世帯が支援から排除されている一方で、バイクを所有するなど経済的に余裕のある人々が制度の恩恵を受けている現状に言及し、支援対象の選定基準を見直す必要性を強調した。

 

この指摘は野党クメール意志党のコーン・モニカ上院議員が制度の運用に不透明な点があると批判したことを受けたものである。

 

これに対してフン・マネット首相は、政府として評価手法の見直しを進めていると説明した。

 

IDプア制度は国家財政によって全額が賄われており、現在までに約790万人、国民の46%が支援対象となっている。

 

そのうち約490万人が貧困層に分類されており、制度の適正運用については、政府も一部に不備があったことを認めている。

 

2024年は医療費支援、現金給付、奨学金、就労支援といった多角的な貧困対策を強化するため、約8億ドルの予算が投じられる予定である。

 

IDプア制度は政府が掲げる貧困削減政策「五角戦略」の一環として実施されているが、今後は支援対象の選定基準の精緻化と、制度の定期的な評価体制の構築が課題となる。

 

 

 

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