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<写真:Khmer Times>
カンボジアの最貧困層が収入の56%以上を食費に費やしていることが、世界食糧計画(WFP)の最新報告書で明らかになった。これに対し、中間層の家庭は食費にかかる割合が低く、子どもの発達に必要な資源を確保しやすいとされている。
同報告書によれば、カンボジアの全人口にわたって食費が家計消費の大部分を占めている。貧困層では収入の半分以上が食費に充てられている一方で、富裕層の家庭は約30%を食費に使っているという。また、富裕層はカンボジアの人口のわずか10%を占めるに過ぎないとも指摘されている。
WFPによると、食費の高い支出が家庭の限られた資源を子どもの教育や高齢者のケア、必要な物品やサービスの購入に振り分ける余裕を奪っている。WEPは「カンボジアの家庭における脆弱性の高さは、食料や生活必需品の確保が貧困層だけではなく、広範な人口においても課題であることを浮き彫りにしている」と強調している。
報告書はまた、カンボジアの急速な経済成長が顕著な貧困削減につながったことにも言及しており、2007年の47.8%から2019年には17.8%にまで国家の貧困率が大幅に低下したとされる。
しかし、「国内総生産(GDP)の継続的な成長にもかかわらず、依然として多くの人々が『近貧困層』に位置しており、自然災害や世界的なパンデミック、病気や障害といったライフサイクルの出来事によって再び貧困に陥るリスクが高い」と報告書は警鐘を鳴らす。
家庭の状況は、収入の変動やショック、機会によって迅速に変化するため、貧困と脆弱性の動態的な性質を反映していると述べられている。
さらに、栄養失調が幼児、児童、ティーンエイジャーに深刻な健康問題として残っている。報告書によれば、5歳未満の子どもの約22%が発育不全であり、成人女性もビタミン欠乏症に悩まされているという。
5歳未満の子どもと成人女性の80%以上が鉄分、ビタミンA、亜鉛、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD、ヨウ素など、少なくとも1つの重要な微量栄養素が不足している。
また、WFP、ユニセフ、および農村開発評議会が共同で実施した「栄養ギャップを埋める」調査を引用し、カンボジアの人口の約16%が最も安価な栄養価の高い食事を負担できないと報告した。
報告書は「カンボジア全土での食生活は、野菜や果物のような微量栄養素に富んだ食品が不足し、穀物や砂糖に大きく依存している。超加工食品や甘味飲料の消費も全ての人口グループや富裕層の間で増加している」と述べている。
これに加え、「不良な食生活は供給面の制約、規制されていない食環境、栄養価の高い食事の手頃さ、生活様式の変化と消費者の好み、気候変動など、複数の要因によるものである」と指摘した。
報告書は、カンボジア政府の五角形開発戦略が人的資本の発展、レジリエンス、持続可能で包括的な発展に焦点を当てている点を評価している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。