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〈写真:Khmertimes〉
暗号化通信アプリ「テレグラム」を利用した非合意ポルノの流通が、カンボジアにおいて深刻な問題となっている。特に女性、なかでも性労働者を標的とした被害が広がっており、現地紙『クメール・タイムズ』の調査によれば、少なくとも100のグループが、隠し撮りを含む性的映像を有料または無料で共有しているという。確認された動画は4000本以上にのぼる。
32歳の女性セクター労働者「スレイスロス」(仮名)は、自身の性行為の様子を撮影した20秒の映像が、「Sell Khmer Video 18+」というテレグラム内のグループに無断で投稿されていた事実を知った。この映像は本人の同意を得ずに撮影されたものであり、撮影者の特定は困難とされている。すでに複数の配信者を通じて広範囲に拡散しており、被害の拡大が懸念される。
カンボジア国家人身売買対策委員会のチョウ・ブンエン副議長は、高度なIT技術の悪用により加害者の特定が困難となっている現状を指摘し、被害者に対して人身売買対策部門やテクノロジー犯罪対策局への通報を呼びかけている。
女性の権利擁護団体「ウィメンズ・ネットワーク・フォー・ユニティ(WNU)」は、性労働者の多くが社会的偏見から警察への被害届をためらう傾向にあると報告している。WNUは被害者に対しカウンセリングや法的支援の案内を行っているが、直接的な捜査協力などの介入は行っていない。
法的には、カンボジアの「人身売買及び性的搾取抑止法」第39条において、わいせつ画像の所持・販売・配信が禁じられており、違反者には最長1年の禁錮および最大200万リエルの罰金が科される。未成年者を対象とした児童ポルノに関しては、さらに厳格な刑罰が規定されている。
一方、テレグラム社は問題コンテンツへの対応としてAI導入や監視体制の強化を進めていると説明しているが、エンドツーエンド暗号化という特性上、監視や介入には限界がある。同様の問題を抱えるドイツ、インド、インドネシアなど各国政府は、同社に対しより強硬な対策を求めている。
プラン・インターナショナル・カンボジアのイー・キムタン副代表は、「買い手と売り手の双方に対し厳罰を科すことで、違法行為には逃げ場がないという強いメッセージを発信する必要がある」と訴えている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。