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<写真:Khmer Times>
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、カンボジアとタイの間で長年続く国境問題の平和的解決に向け、調停支援を行う意向を表明した。
カンボジアがかつてフランスの保護領であった歴史的背景から、フランスが両国間の対話を促す仲介役として再び関与する可能性が高まっている。
マクロン大統領は6月、カンボジアのフン・マネット首相とフランス南部のニースで会談し、フランス政府が中立的な立場から両国に対し支援を提供する用意があると述べていた。
また、フランスは国際司法裁判所(ICJ)に提出される可能性のある文書を提供する意向も示し、協議の促進に向けた姿勢を明確にした。
一方、タイのペートンターン・チナワット首相との電話会談においても、マクロン大統領はフランス政府がタイ・カンボジア間の交渉調整に協力する意向を確認した。
タイ政府は、善隣関係の維持、東南アジア諸国連合(ASEAN)の結束、国際法の原則を重視し、あくまで二国間協議による解決を追求する方針を強調している。
この国境問題の根底には、フランス統治時代に作成された地図の存在がある。
1962年のICJ判決では、カンボジア側が主張するプレアヴィヒア寺院の領有が認められ、その際に用いられた仏製地図が重要な役割を果たした。
2013年にもICJはその判断を再確認しており、フランス植民地期の資料は今なお国境画定の根拠とされている。
カンボジア王立アカデミー国際関係研究所のキン・ピア所長は「フランスの関与は歴史的責任に基づく前向きな一歩であり、国際法に準拠した平和的解決への意思を示すものである」と評価した。
一方で、カンボジアのドキュメンテーションセンター所長ユク・チャン氏は、フランスの介入に一定の慎重姿勢を示しつつ、ASEAN主導による解決努力の強化を求めた。
また、アメリカによるアフリカ諸国の和平プロセスへの関与を例に挙げ、他国による補完的支援の可能性も視野に入れるべきであると提言した。
現在カンボジア政府は、ICJへの提訴準備を進める一方で、タイとの国境委員会を通じた実務的な協力を継続しており、平和的かつ恒久的な解決を目指している。
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