BYD減益でも海外加速、カンボジアEV工場に託す逆転シナリオ

BYD減益でも海外加速、カンボジアEV工場に託す逆転シナリオ
2026年06月08日(月)00時00分 公開
BYD減益でも海外加速、カンボジアEV工場に託す逆転シナリオ

<写真:khmertimeskh.com>

 

中国の電気自動車大手BYDは国内での利益減少が続く中、海外展開を加速しており、カンボジア工場の新設はその戦略の一環である。


同社は2025年12月、シアヌークビル特別経済区にカンボジア初の電気自動車組立工場を稼働させた。


稼働時期は四半期ベースで4期連続の減益局面と重なっている。


2025年通期の売上高は8040億元と前年比で増加したが、純利益は19%減の326億2000万元に落ち込み、粗利益率も低下した。


さらに2026年第1四半期は売上高が11.82%減、純利益は約55%減の約40億9000万元となり、減益が続いた。


要因は中国国内市場での価格競争にある。BYDはシェア維持のため値下げを繰り返し、販売台数は維持したものの、1台当たりの利益は縮小した。


一方、海外販売は収益性が高く、2025年の輸出台数は前年比で倍増し105万台に達した。海外販売の粗利益率は28.1%と、中国国内の17.2%を大きく上回る。


こうした中で設立されたカンボジア工場は、単なる現地需要対応ではなく、輸出も視野に入れた生産拠点と位置付けられる。


ただし現地の制度環境は変化している。2026年4月、政府は完成車の電気自動車とプラグインハイブリッド車に対する輸入関税を撤廃し、従来の現地組立の優位性は縮小した。


工場は12haの敷地に建設され、初期投資額は3200万ドル、年間生産能力は1万台とされる。


一方、カンボジアの電気自動車登録台数は2025年時点で累計9065台にとどまり、単年生産能力が国内保有台数を上回る規模である。


このため同工場は、国内需要だけでなく周辺国への供給拠点としての役割が想定される。


港湾に近接する立地や、タイ、インドネシア、ハンガリー、トルコなど各地で進む現地生産体制と同様の戦略の一部とみられる。


国内市場では関税撤廃により完成車輸入と現地生産車の競争条件が同一となり、販売競争は一段と激化する可能性がある。


BYDにとっては、海外市場での販売拡大によって収益を確保できるかが、カンボジア工場の採算性を左右する。

 

 

 

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