5%成長から急減速、カンボジア経済に迫る複合危機の波紋

5%成長から急減速、カンボジア経済に迫る複合危機の波紋
2026年05月08日(金)00時00分 公開
5%成長から急減速、カンボジア経済に迫る複合危機の波紋

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府は2026年の経済成長率見通しを4.2%に引き下げるとともに、2027~2029年の中期財政枠組み(MTFF)を公表した。

 

世界的な不確実性の高まりと国内支出圧力の増大を背景に、財政政策の指針を示すものである。

 

政府は当初、2026年の成長率を5.0%と見込んでいたが、複合的な外部ショックの影響を踏まえ下方修正した。

 

フン・マネット首相は、同枠組みが中期的なマクロ経済および財政運営の方向性を示し、国家資源の効率的活用や財政の持続可能性強化に資するとの認識を示した。

 

また、政策や戦略計画と年次予算の連携を強化し、優先分野への資源配分と迅速な対応能力の向上を図るとしている。

 

カンボジアは近年、保護主義の高まりや貿易摩擦、地政学的競争、気候変動の影響など複数の危機が重なる移行期にある。

 

過去2年間では、米国の報復関税、タイとの国境問題、中東戦争によるエネルギー危機という三つの大きな衝撃に直面した。

 

特に中東情勢は原油・ガス価格の上昇を招き、インフレ圧力を通じて成長軌道や経済安定に影響を及ぼしている。

 

政府は新たな見通しとして、2027年の成長率を5.0%、2028年と2029年は平均5.5%とした。

 

一方、燃料関連の財政措置や電力利用促進策により歳入基盤は影響を受ける見通しである。

 

歳出面では、主権保護や生活水準向上、インフラ整備、選挙準備などで需要が拡大する。

 

中期財政運営では、安全保障や社会福祉、経済多角化、民間部門支援、人材育成、デジタル化、制度改革の7つを重点分野とする。

 

政治的・マクロ経済的安定の確保と国民生活の向上を最優先としつつ、新たな成長源の創出やビジネス環境の改善、不正金融対策も進める。

 

同枠組みは3年ローリング方式で策定され、マクロ経済の安定確保、予算と政策優先順位の整合、歳入徴収効率の向上、財政透明性の強化を目的とする。

 

財政スタンスは中立とし、持続可能性を維持しつつ政策実行の整合性を確保する。

 

試算では、2027~2029年の歳入は年平均7.3%増と見込み、2027年はGDP比14.72%となる。

 

歳出は年平均3.1%の伸びを想定し、2027年の経常支出は2026年比7.9%増、財政赤字はGDP比約1.53%と見込まれている。

 

 

 

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