タイとカンボジア国境で再び軍対峙、有刺鉄線が引き金に緊張再燃

タイとカンボジア国境で再び軍対峙、有刺鉄線が引き金に緊張再燃
2026年06月08日(月)00時00分 公開
タイとカンボジア国境で再び軍対峙、有刺鉄線が引き金に緊張再燃

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府は、タイとの陸上および海洋の係争を国際法と平和的対話で解決する方針を維持する中、プレアビヒア州の国境地帯で両国軍の対峙が発生した。


6月2日、同州モムベイ地区でカンボジア軍とタイ軍の地上部隊が対峙した。


この地域はタイで「チョンボック」と呼ばれ、カンボジア、タイ、ラオスの三国が接する未画定の国境地帯である。


タイ軍が有刺鉄線を設置したことに対し、カンボジア側が自国領と主張して阻止に動いたことが緊張の高まりにつながった。


同地では2025年5月28日に両軍の衝突が発生し、カンボジア軍の准尉1人が死亡している。この事案を契機に、同年7月と12月にはタイ側の軍事行動へと発展した。


タイ陸軍は、部隊が通常の巡回と防御強化のために有刺鉄線を設置したと説明したが、カンボジア側はこれを違法な占拠の試みとして否定した。


対峙当日には、東南アジア諸国連合(ASEAN)の監視団が停戦合意の履行状況を確認するため現地を訪問した。


フィリピン人団長が率いる代表団はチョアムクサン地区の国境検問所などを視察し、係争地の状況を確認した。


カンボジア国防省報道官は、タイ軍による越境や有刺鉄線設置、コンテナ配備が住民の帰還を妨げていると指摘し、停戦後の措置の履行状況を検証したと述べた。


また、両国の合同国境委員会による境界画定作業の早期開始が必要との認識を示した。


政府は2025年12月の共同声明および同年10月の和平合意への関与を改めて強調し、国境地域の正常化と安定確保を目指すとしている。


一方、フン・マネット首相は、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、タイとの重複する海洋権益問題について強制調停の手続きを開始する方針を示した。


政府報道官によると、同手続きは対話を否定するものではなく、国際的な法的枠組みの中で協議を進める手段と位置付けている。


カンボジアは調停人2人を選定し、タイ側および国連の対応を待っている。これに対しタイ外相は、同措置が二国間関係や交渉を複雑化させる可能性があると懸念を示した。


また政府は、防衛費増額のために教育や医療支出を削減するとの見方を否定し、人的資本の強化を引き続き優先すると説明した。


フン・マネット首相は、国防と持続的発展には人材育成が不可欠であり、公衆衛生や教育への投資が重要であると述べた。

 

 

 

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