カンボジアのトヨタ、国民ブランドを目指す

カンボジアのトヨタ、国民ブランドを目指す
2026年03月10日(火)00時00分 公開
カンボジアのトヨタ、国民ブランドを目指す

〈写真:khmertimeskh.com〉

 

自動車大手のトヨタ自動車は、カンボジアでの事業基盤を強化している。販売にとどまらず、現地組立や技術者育成を進め、同国市場に長期的に根付いた「国民ブランド」となることを目指す戦略である。


同社の現地法人トヨタカンボジアの土屋社長は「顧客の人生のあらゆる段階で移動手段を提供する存在になりたい」と述べ、販売・整備・中古車事業を含む包括的なモビリティ事業の構築を掲げている。


カンボジアでは、道路を走る車両の65%以上がトヨタ車とされる。新車市場では、小型SUV「ライズ」、都市部で燃費性能を重視する層向けの「ヤリスクロス・ハイブリッド」、多人数利用の「ヴェロズ」、商用車の「ハイラックス」、大型SUV「フォーチュナー」などを展開している。


さらに高級ブランドのレクサスも含め、若年層の初購入から経営層の高級車需要までを取り込む「製品階段」を構築している。


アフターサービス体制の整備にも力を入れる。全国に認定整備工場のネットワークを構築し、純正部品による整備履歴を維持することで中古車の残存価値を高める狙いである。


認定中古車制度「T-PLUS」では、車両の外装や内装、機械状態を検査し、評価に基づく価格で販売する仕組みを導入した。中古車取引の透明性向上を図る取り組みである。


製造面では、2024年5月にプノンペン経済特区で現地組立拠点「Toyota Tsusho Manufacturing Cambodia」を開設した。約2500点の部品を用いて「ハイラックス」と「フォーチュナー」を組み立てている。


従業員は約120人で、その約8割が同国の職業技術教育機関の卒業生である。現在、国内販売向けの両車種はすべて現地で組み立てられている。


将来的には溶接や塗装など製造工程の現地化も検討しており、現地付加価値を高めながら長期的な事業定着を図る方針である。


人材育成では、地元の技術教育機関と連携した「トヨタ・アカデミー」を設立する計画である。年間約250人の学生を対象に、実務と教育を組み合わせた研修を実施する。整備工場での実習や有給インターンを通じて、販売店や工場で活躍する人材を育成する考えである。


カンボジアでは所得増加に伴い、バイクから中古車、さらに新車へと需要が移行しつつある。2025年の新規登録台数は9万3103台となり、保有台数は約120万台に近づいた。土屋氏は「3年以内に新車が市場の6割を占める可能性がある」との見方を示す。


中国メーカーなどによる価格競争の激化も予想されるが、同社は整備網や中古車価値、部品供給といった基盤整備を通じて顧客の長期的な信頼を確保する方針である。


カンボジア市場は、輸入中心の段階から製造と人材育成を伴う拠点へと移行しつつあり、トヨタはその変化の中で主導的地位の維持を狙う。

 

 

 

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