カンボジアに来てなぜか咳が止まらなくなった、という方によくお会いします。
もともと喉が弱いという方、土ぼこりにアレルギーが出ている方、風邪をひいた後に咳だけが長く続くという方、、原因は様々ですが、何であっても咳が続くとしんどいもの。
咳を鎮めるのに効果的な方法は?
咳やのどの痛みに蜂蜜レモンや生姜湯を飲む、緑茶でうがいなどはよく聞く話ですが、
この国で身近なパイナップルにも咳を鎮めて喉の炎症を緩和する効果があります。
パイナップルに蜂蜜をかけて食べるとより効果的!
また、大根おろしも良いそうです。辛みが苦手な方は大根おろし(または角切りにした大根)に蜂蜜をかけてお試しになってみてください。
反対に、タバコやアルコール、熱すぎる飲食物、スパイスといった刺激物は咳を誘発します。
また、枕を高くしたり、痰が多くて困っている時は、水分制限がなければ水かお茶をゆっくりと少しずつ飲むよう心がけたりすると良いようです。
咳止めの薬は使った方が良い?
鼻や口からウイルスや病原菌などの異物が気道に入ってきたとき、脳から指令が出て、反射的に咳が出るようになっています。
つまり、咳は体の防御反応ということになります。
このような場合、咳を薬で止めてしまうと、体から出すべき異物を体内に取り込んでしまう可能性もあります。
ですので、安易に咳止めを使ってしまうのはあまり良くありません。
ただし、咳が激しくて夜眠れない、仕事に支障をきたしてしまうなど、やむを得ない状況もあります。また、咳が慢性的に続いていると、気道が過敏になってしまい、咳込んでしまうということもあります。
このような時には咳止めを一時的に使用しても良いでしょう。
咳止めにも様々な種類があります。
咳には2種類あります。乾いた咳のみの「乾性咳嗽」と、痰がからんでいる「湿性咳嗽」です。
どちらの咳かによって、使用する薬が違います。
乾いた咳のみの場合(乾性咳嗽)
・麻薬性鎮咳成分
「麻薬」と聞くと怖く感じますが、危険な薬というわけではありません。成分の濃度が低いため、法的な麻薬には当てはまりませんが、分類上こうなっています。
非常に咳止め効果が高く、即効性もあります。
副作用としては眠気、便秘、口の渇きなどが挙げられます。
喘息の方はこの薬は絶対に使用しないでください。
・非麻薬性鎮咳成分
麻薬性鎮咳成分と比べ効果は多少低いですが、副作用も比較的少ない成分です。
めまいが現れることがあるので、自動車やバイクを運転する時、高い場所での作業時はご注意ください。
・気管支拡張薬
気管支を拡げ、呼吸を楽にします。喘息の方にはこれがおすすめです。
血圧や心拍数、血糖値が上昇することがありますので、高血圧や心臓疾患、糖尿病の持病がある方は注意してください。また、手指のふるえが起こることがあります。
痰がからんでいる咳の場合(湿性咳嗽)
・去痰薬
痰を体外に排出する動きを促進させる成分と、痰の粘り気を減少させて痰を切れやすくする成分があります。
・消炎酵素薬
炎症による腫れをやわらげ、痛んだ組織の回復を助けます。また、痰を分解して排出しやすくします。
日本において、この薬は十分な効果が認められず、販売が中止されました。
カンボジアでは一般的に使用されています。
卵アレルギーのある人は使用できません。喘息など、アレルギー体質の人も注意が必要です。
・他にも…
アレルギー性の咳には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイド薬なども使用されます。
咳止めの薬には、1つの成分のみが含まれている薬と、それぞれ異なった作用をする成分が複数含まれている薬があります。
咳込むと周りの方に気を使いますし、長引く咳は体力を消耗するので、 薬物療法と非薬物療法を組み合わせて、対処してみてください。