「議論不要」と明言、カンボジアが国境再開を後回しにする理由

「議論不要」と明言、カンボジアが国境再開を後回しにする理由
2026年06月23日(火)00時00分 公開
「議論不要」と明言、カンボジアが国境再開を後回しにする理由

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジアのフン・マネット首相は、タイとの陸上国境再開について現時点で協議する必要はないとの立場を示した。


同首相は6月17〜18日にロシア・カザンで開かれたロシア・ASEAN関係樹立35周年記念行事の合間に、タイのアヌティン首相と非公式に会談したが、国境再開は議題とならなかった。


フン・マネット氏は後に自身のフェイスブックで、国境問題について国際法に基づき平和的解決を目指す姿勢を改めて強調した。


一方で同氏は、陸上国境の再開は優先事項ではないと明言し、当面は議論不要との認識を示した。


この発言は、昨年タイが一方的に国境検問所を閉鎖した際、カンボジア側が通常運用に戻れば24時間以内に再開可能とした従来の立場からの変化となる。


現在カンボジアは、越境貿易や観光の再開を議論する前に、国境画定や未解決の領土問題で進展が必要との立場に転じている。


これに対しアヌティン首相も、会談で国境再開は話題に上らなかったとし、「そのような話はあり得ない」と記者団に述べた。


プノンペンのパンニャサストラ大学のケビン・ナウエン社会科学・国際関係学部長は、カンボジアがタイによる一方的な再開に容易には応じないとの見方を示した。


2025年12月27日の停戦合意で定めた合同国境委員会の枠組みに基づき、タイ側が代表を任命し、共同調査と画定作業を開始することが優先課題であると指摘した。


また、国境閉鎖を交渉材料としてタイに正式な画定作業を促す狙いがあるとし、会談直前にはポーサット州トモルダー検問所付近の係争地でタイ軍が建物占拠や国旗掲揚を行ったとカンボジアが非難しており、緊張が続いていると説明した。


カンボジア王立アカデミーの政策分析官サム・スン氏は、今回の発言はタイ政府だけではなく国民向けのメッセージでもあると分析した。


2025年6月の国境閉鎖時、タイ国内ではカンボジア経済への打撃が大きいとの見方が広がったが、1年を経て影響はタイ側にも及び、特に国境地域の住民が貿易や観光の停滞による影響を受けていると指摘した。


同氏は、最終的には両国が国境を再開するとの見通しを示しつつも、その前提としてタイが国境問題の解決に向けた対応を進める必要があるとの認識が示されたと述べた。

 

 

 

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