輸入増加で農家は苦境にたたされる

輸入増加で農家は苦境にたたされる
2017年02月02日 00時00分 公開
輸入増加で農家は苦境にたたされる



カンボジアの野菜農家は苦境に立たされている。過剰供給や頻繁に起こる供給不足、近隣諸国からの安価な輸入品と同等の条件での競争が特徴的な自由市場では、多くの野菜農家がこのままではやっていけないと不平を口にしている。

カンダル地方にあるサアン地区のペン・スリーン氏は、クメールタイムズ紙に対し、収入の減少を嘆きながら、売ることができずに腐ってしまったカリフラワーを見せ、「ほとんどの消費者はベトナムからの化学肥料を使って栽培された安い輸入品を好む。しかもそれらの輸入品は見た目がより綺麗に見える。消費者がカンボジアで作られた農作物を見たとき、汚く、値段が高いと馬鹿にすることがよくある 」と話した。

「このままでは破産してしまうと思うが、これからベトナムの安価な農産物とどう競い合ってけばいいのだろうか」とスリーン氏は疑問を投げかけた。

スリーン氏は「自分の生産コストは高く、もしベトナムの安価な輸入品に対抗するためカリフラワーを安い値段で売れば、大きな損失を被るだろう。私は人々がなぜ大量の農薬を使って栽培されたと知っているにもかかわらず、輸入作物を好んで買うのか理解できない」と述べた。

サ・アン地区にあるピームサラ村のひょうたん農家オエン氏は、スリーン氏のようになるのは時間の問題だと言う。

「市場で自分が栽培したひょうたんを売るのは非常に難しくなっている。お客さんはベトナム産の農作物の方が私の作った農作物よりも綺麗に見えるのに、私の農作物の方が値段が高いといつも不平を言う。」とオエン氏は話した。

「私に何ができるだろうか? おそらく私は野菜を作ることを諦め、妻と私は生きるか死ぬかの運命を選択することになるだろう。」と語った。

政策研究センターのプログラムで実施された調査によると、1日に20万トンから40万トンの野菜が近隣諸国から輸入されているという。また、ベトナムやタイ、中国からの輸入野菜に、年間1億5千万ドルから2億5千万ドルが使われていることが分かった。

大規模な資本流出を抑制するため、政府は今年から8つの地域でBoosting Food Projection 2017-2019という農作物生産を支援する取り組みを行うことを決定した。

そのこのプロジェクトの予算は約2,000万ドルで、そのうち約1,000万ドルが野菜やその他の作物の生産に充てられる。

これを知ったオーエン氏は、「希望の光がある」と政府が真剣にその事実を受け止めていることについて満足した表情を浮かべた。

「市場に出回る輸入品の数が少なくなれば人々はカンボジアで作られた農作物を選ぶようになるだろう。また、カンボジアで栽培することのできない農作物が市場に出回るのはいいが、そうでないあらゆる農作物が輸入品であふれるのはおかしい。」と彼は語った。

サ・アン地区にあるトゥール・アンドン村のナス農家であるソフェン氏は、政府がベトナムからの輸入の流れを止める努力を約束してくれれば、生産量を増やしていくつもりだと話した。

「私たちは現在最大で500kgのナスをプノンペンの卸売市場に卸しており、そ需要は増加しているように見える。しかし、ベトナムからの安価なナスの流入は、卸売業者の地元農家からの仕入れ削減につながっている。」と同氏は続けた。
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