「腸チフス」という感染症をご存知ですか?
日本の外務省も、可能であればカンボジア在住者は予防接種をおすすめしている感染症の1つです。
とはいえ、日本人の中では認知度がそこまで高くなく、予防接種を打っていない人も少なくないようです。
そこで、今回は、カンボジア初の複数の日本人専門医による多診療科クリニック「サン・インターナショナル・クリニック」が腸チフスについて解説します。
腸チフスとは??
「腸チフス」は食事を介してチフス菌が体内に感染することによって発症する感染症です。
感染してから、症状を発症するまでの潜伏期間は1〜3週間ほどです。
この時期は熱があっても少し頑張れば、自力で病院に行ける程度です。
しかし、熱は次第に高くなり、1週間ほど経過すると39~40℃の熱が続くようになります。
高熱と共に腹痛や下痢を伴うことが多いのですが、下痢の症状が出なくても腸チフスであることもあります。
治療をきちんと行った場合は、約4週間程度で回復します。
治療をしなければ高熱が更に2週間ほど長引き、腸出血を起こして危険な状態に陥る人もいます。
感染源は健康保菌者の場合も...
腸チフスはチフス菌に感染している人の便や尿によって汚染された食物や水を飲食することによって主に感染し、チフス菌に曝露してから 1〜3週間後に発病します。
病気が治ったあとも腸チフス菌が体内から消えず、胆嚢の中などに居続けることもあります。
このように、感染症の病原体を体内に保有しながらも、その病気を発症していない人のことを健康保菌者と呼びます。
健康保菌者は腸チフスの感染源となる可能性が大きいので、症状はなくとも再治療の対象になります。
感染者はチフス菌が体内から消えるまで、食事を準備したり提供したりすることはできません。
症状がない健康保菌者も同様です。
カンボジアの事例としては、大学の食堂で食事を提供していたカンボジア人がチフス菌を保有しており(症状の出ない健康保菌者)、その食事を食べた学生が集団でチフス菌に感染した事例がありました。
日本の場合、チフス患者がでた際には、各自治体の保健所が感染源を特定して対処しますが、カンボジアではなかなかそういった管理ができていないのが現状です。
また、現在、日本での腸チフス発生件数は年間 60〜80例ですが、そのうち40〜50例はアジアやインドなどの海外で感染して帰国後に発病した輸入腸チフスです。
どうやって予防するの??
予防の基本は、感染経路を遮断することです。
日頃から手洗いの励行を心がけ、カンボジアなど流行地にいる場合は生水、氷、生の魚貝類、生野菜、カットフルーツなどを避けることです。
また、ワクチンも有効手段の一つです。
日本の外務省は腸チフスのワクチンをできれば接種することを勧めています。
ワクチンを接種した成人での抗体陽転率は88%から96%と報告されています。
ワクチン接種後に産生された抗体は2年後には3分の1程度に減弱します。
引き続いて腸チフス菌感染の危険がある人たちには2年後ごとの追加接種が勧められています。
ただ、腸チフスワクチンは副作用を起こす事例も報告されているため、ワクチンを摂取される場合は医療機関とよく相談の上、摂取することお勧めいたします。
「サンインターナショナルクリニック」詳細情報
- 住所:No.18, St.302, Sangkat BKK1, Khan Chamkamon, Phnom Penh
- 電話番号:069-268-060 / 092-116-613(日本語対応可)
- 診察時間:月~土 9:00〜18:00 日 9:00〜15:00(大型連休を除く)
- 診察科:総合診療(内科)、皮膚科、耳鼻咽喉科(アレルギー科)、整形外科、消化器科、小児科、婦人科、泌尿器科、形成外科、アンチエイジング治療
- カンボジア(プノンペン)にある日系病院
複数の日本人医師と看護師が常駐・在籍しています。受付をされてから診察を受けお帰りになるまで日本語で対応いたします。また全ての日系海外旅行保険とクレジット付帯保険と提携しており、キャッシュレスサービス対応が可能です。お気軽にお問い合わせください。 - 公式HP: http://siclinic.com/