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<写真:khmertimeskh.com>
タイ内務省は、カンボジアとの国境紛争の影響により大量のカンボジア人労働者が帰国したことを受け、国内に留まる同国出身の労働者に対して最長6カ月の労働許可延長措置を講じると発表した。
対象は、2017年外国人労働管理法第64条に基づいて労働許可を取得していた者である。表向きは人道的配慮による措置とされるが、実質的には労働力の維持を目的とした経済政策である。
農業、建設、海産物加工、製造業といった労働集約型の主要産業において、カンボジア人労働者は不可欠な存在である。
政府は、産業の生産性と人員の安定確保を図るため、一定条件のもとでの滞在の継続を認めた。
対象者は、発表から15日以内に入国管理局への届け出を行う必要があり、その後も30日ごとに所在報告が求められる。
今回の措置は、国境管理の強化によって移動が制限され、国内の人手不足が深刻化している現状に対応するものである。
これまでに90万人以上のカンボジア人が帰国したとされ、残留労働者の確保は急務となっている。
経済社会研究者のチェイ・テック氏は、ネパールやスリランカ、インドネシア、フィリピンといった他国からの労働者受け入れも進められているとする一方、地理的距離、移送コスト、文化的適応の難しさといった課題を指摘する。
特に、建設業や製造業では、カンボジア人労働者の安定供給が困難になることで生産の遅延やコスト増につながる可能性が懸念されている。
内務省は、今回の延長措置について、国境管理が正常化するか、もしくは6カ月が経過するまでの時限的な対応と位置付けている。
また、期間中に刑事事件や規則違反が確認された場合には、労働許可は即時に無効となる。
タイ経済を支える労働基盤の安定を図るには、今後も近隣諸国との労働力協力体制の強化と柔軟な移民政策が求められる。
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