タイ国境問題の緊張激化、カンボジアが国連に介入要請

タイ国境問題の緊張激化、カンボジアが国連に介入要請
2025年09月04日(木)00時00分 公開
タイ国境問題の緊張激化、カンボジアが国連に介入要請

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府は8月27日、タイとの国境地帯における軍事的挑発行為を受け、国連に対して対応を要請した。

 

ニューヨークの国連本部において、カンボジアのケオ・チア国連常駐代表はアントニオ・グテーレス事務総長と会談し、タイ軍による有刺鉄線の設置、住民の強制退去、民間財産の破壊などについて深刻な懸念を表明した。

 

カンボジア側は、これらの行為が既存の停戦合意に反していると主張し、現場の写真および地雷に関する技術報告書を国連に提出した。

 

チア大使は「カンボジアは停戦を厳守し、いかなる挑発に対しても最大限の自制を保っている」と強調した。

 

また、地雷問題に関しては「新たな埋設は行っておらず、確認されているものは過去の内戦およびポル・ポト政権時代の遺物である」と述べ、疑念を否定した。

 

これに対し、タイ外務省は翌28日、同国のチェルチャイ・チャイワイウィット国連常駐代表がグテーレス事務総長に面会し、カンボジア軍兵士が地雷を取り扱っているとされる映像などの「証拠」を提出したと発表した。

 

国連地雷対策局(UNMAS)は、事態の調査および技術的支援に前向きな姿勢を示しているとされる。

 

両国間の緊張は、7月の停戦合意後も収まることなく続いており、国境地帯に位置するタ・クラベイ寺院周辺では、断続的な武力衝突が発生している。

 

タイ政府はこれを受け、カンボジアとの外交関係の格下げを行い、国境検問所の閉鎖やカンボジア産品の輸入停止といった強硬措置に踏み切った。

 

これに対抗し、カンボジア政府も駐タイ大使を召還するなど、両国は対立を一層深めている。

 

このような状況が長期化すれば、地域の安全保障体制や経済活動に深刻な悪影響を及ぼす懸念がある。今後、国連の調停努力が事態の打開に繋がるかが国際社会の注目を集めている。

 

 

 

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