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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア西部のバンテイメンチェイ州に位置するプレイチャン村およびチョークチェイ村では、タイとの国境に近接する地域において、深夜にかけて不気味な大音量の音が連日流され、住民が深刻な精神的被害を受けている。
これらの音には犬の鳴き声、葬送音楽、叫び声などが含まれ、カンボジア当局はこれをタイ軍またはその関係者による「心理的威嚇行為」として非難している。
現地の証言によれば、10月中旬から少なくとも4夜連続でこの「音響戦」が実施され、子どもから高齢者までが不眠症や強い不安感を訴えた。
特に、タイ軍による住宅撤去を受けて仮設のテントで生活を余儀なくされている住民や、高齢の視覚障がい者は、心身ともに限界に達していると訴えている。
このような行為は、国際法上の拷問禁止条約(CAT)に違反する可能性があるとの指摘もあり、カンボジア人権委員会(CHRC)は国連に対して即時の調査と関係者への責任追及を求めた。
また、CHRCは被害住民への心理的および医療的支援の提供が急務であると強調している。
一連の音響行為は、タイの極右系インフルエンサーであるグントゥッチ・ポンプアイブンウェット氏が主導したとされる。
グントゥッチ氏は、タイの領有権主張の一環として音響装置を使用したと公言しており、これに対してタイ国内でも批判が高まっている。
上院議員や人権活動家らは、政府に対し自制を求めており、タイ政府の対応に注目が集まっている。
アヌティン首相は当初、グントゥッチ氏の行動を擁護するような発言を行ったが、国内外からの強い批判を受け、政府の立場が問われる状況となっている。
カンボジアとタイの国境地帯では2024年7月に停戦合意が成立していたが、今回の「音響戦」はこの合意に反するとする見方が強い。
CHRCは、両国が停戦合意の精神に立ち返り、緊張緩和および再発防止のための建設的な協議を再開すべきであると訴えている。
一方、地元住民は「ここは我々の土地であり、どのような脅しにも屈しない」と述べ、冷静さを保ちながらも強い意志で領土と生活を守る姿勢を示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。