タイ国境を貨物限定で再開、カンボジア側に懸念広がる

タイ国境を貨物限定で再開、カンボジア側に懸念広がる
2025年09月15日(月)00時00分 公開
タイ国境を貨物限定で再開、カンボジア側に懸念広がる

<写真:khmertimeskh.com>

 

タイ政府は第三国からの要請に基づき、タイ・カンボジア間の国境検問所を限定的に再開する方針を示した。

 

再開対象は貨物輸送のみに限定されており、人の移動は引き続き制限される。これにより、カンボジア側にとって不利な条件となるとの見方が強まっている。

 

タイの暫定国防相ナッタポン・ナックパニッチは、チャントゥブリー県やトラート県等の検問所を通じ、第三国の要請に応じて貨物のみの通過を許可する計画を明らかにした。

 

これにより両国間の物流および輸出ルートの確保が期待されているが、観光客や通勤・季節労働者など人の往来は引き続き認められていない。

 

一方で、カンボジア側はこの方針に慎重な姿勢を崩しておらず、正式な合意には至っていない。

 

国境周辺の小商人や農家、地方コミュニティでは、物理的な往来停止による収入減や生活への悪影響が懸念されており、市場やサービス業など地域経済への打撃も予想されている。

 

この措置は、タイ側の生産者や輸出企業にとっては有利に働く一方で、カンボジア側にとっては恩恵が限定的である。

 

特に、タイ製品のボイコット運動などを背景に、カンボジア国内では不信感が根強い。国際的には、日本が供給網の安定を求めて要請したことが背景にあるとの報道も見られる。

 

カンボジア政府は、貿易維持という実利と、国境管理再開における不平等性という課題のはざまで対応を迫られている。

 

地元の研究者は今後の課題として、品質向上と地場産業の強化を挙げており、隣国との関係修復に加え、労働者の移動や地域の所得保護が焦点となると指摘している。

 

 

 

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