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<写真:khmertimeskh.com>
タイ軍によるカンボジア領内への軍事侵攻が続く中、同国では1970年代のポル・ポト政権下以来、最悪の人道危機が発生している。
空爆や砲撃により国境地帯の住民約42万人が避難を余儀なくされ、被害は7州にわたって拡大している。
カンボジア情報省の発表によれば、これまでに民間人15人が死亡し、73人が負傷した。
タイ空軍はF-16戦闘機やスウェーデン製グリペン戦闘機を投入し、国境から70km以上内陸に位置する地域にも空爆を実施している。
沿岸部のコッコン州では、海軍による攻撃も行われ、多数の住民がケマラ・プーミント市から避難した。
シェムリアップ州スレイスナム郡では、難民キャンプ周辺が爆撃を受け、数千人の住民が再び避難を余儀なくされた。
児童や高齢者を含む住民は、幹線道路を利用して南部地域への避難を続けている。
カンボジア政府は災害管理国家委員会を通じて避難民への支援を実施しているが、保健当局は衛生環境の悪化と感染症拡大のリスクに警鐘を鳴らしている。
避難所ではインフルエンザや下痢症、高血圧などが多く報告されており、特に子どもの健康被害が深刻視されている。
バンテイメンチェイ州やプレアヴィヒア州においても、住民は激しい攻撃を受けて避難を強いられている。
ポイペト市などでは、爆撃が確認されていないにもかかわらず、住民の不安から自発的な避難が広がっている。
一方、シェムリアップ州では、タイ軍の空爆を誘導したとして、カンボジア人の男性がスパイ容疑で逮捕された。
容疑者は空爆目標であった橋の位置情報を提供し、報酬として2万ドルを約束されていたと供述している。
国防省によれば、タイ軍は第4軍管区において複数の地点で軍事作戦を継続しており、その攻撃は民間地域にも及んでいる。
攻撃対象には、オースマック、サムロン市、タモアン遺跡、プレアヴィヒア寺院などが含まれている。
カンボジア当局は引き続き、避難民の保護と人道支援に全力を挙げているものの、隣国による侵攻の拡大により、事態の早期収束は極めて困難な状況にある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。