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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア政府は、タイとの国境問題を平和的に解決するため、旧宗主国であるフランスに対し、歴史的文書および技術資料の提供を正式に要請した。
フン・マネット首相はフランスのエマニュエル・マクロン大統領宛に書簡を送り、両国間の国境に関する植民地時代の資料提供を求めたものである。
この書簡は、フランス側が資料提供の用意があるとの意向を示したことを受けたものであり、カンボジア外務国際協力省によれば、フン・マネット首相は国際法に基づく平和的解決の重要性を強調し、フランスの関与に対し感謝の意を表明した。
フン・マネット首相はまた、フランスの国際平和への貢献、多国間主義の推進、国連安全保障理事会常任理事国としての立場に触れつつ、国境問題解決のための技術的助言および歴史的地図等のアクセス支援を要請した。
対象となるのは、カンボジアとタイの間に横たわる係争地に関する資料であり、フランス保護領時代の遺産として位置づけられている。
両国の国境問題の起源は仏領インドシナ時代にさかのぼる。1893年のパークナム事件を契機に、タイ(当時はシャム)はメコン川東岸の領土をフランスに割譲し、1904年および1907年の仏タイ条約によって国境の再調整が行われた。
中でも1907年の条約に基づいて作成された「Annex I Map」は、現在も係争地とされるプリア・ヴィヘア寺院をカンボジア領と示しており、1962年の国際司法裁判所(ICJ)判決でもこの地図が支持された経緯がある。
フランスは2023年6月、両国間の法的解決に向けた支援を約束しており、今回の要請はその具体的な進展と位置づけられている。
駐仏カンボジア大使のルイ・ダビッド氏もSNSを通じて、歴史資料の共有に前向きな姿勢を表明している。
一方、カンボジア地域研究センターの上級顧問であるプー・ソティラック氏は、フランスは単なる第三者としてではなく、歴史的責任を持った主体として積極的に関与すべきであると主張した。
カンボジアが仏作成の地図や条約に基づいて主張を展開しているのに対し、タイ側は一方的に作成した地図を根拠としていると批判した。
今回の要請は、カンボジアが国際法を尊重し、平和的手段による紛争解決を重視する姿勢を内外に示すものであり、フランスの対応が長年にわたる国境問題の解決に新たな一歩をもたらすかどうか、今後の展開が注目される。
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