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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア政府は6月15日から10月15日までの4か月間、中国(香港・マカオを含む)からの観光客を対象に、14日間のビザ免除措置を実施する。
この政策は観光業界から「画期的」「歴史的な節目」と高く評価されており、将来的には日本や欧米諸国への拡大も見据えた試験的措置と位置付けられている。
観光省によれば、今回のビザ免除は中国人観光客のさらなる誘致を目的とし、観光収入の回復を図る政策の一環である。
2025年にカンボジアを訪れた国際観光客は前年比16.9%減の560万人にとどまった。一方で中国人観光客は120万人と前年比41.5%増を記録し、タイを上回り、ベトナムに次ぐ第2位となった。
カンボジア旅行業協会(CATA)の会長であるチャイ・シブリン氏は、ビザ免除によって入国手続きが簡素化され、観光客のみならず投資家の信頼回復にも寄与すると指摘している。
同氏は今回の措置を、単なる観光需要の回復にとどまらず、国際競争力を高める第一歩であると強調した。
これに対し、国際ビジネス商工会(IBC)副会長のアルノー・ダルク氏は、ビザ免除を合理的かつ実利的な判断と評価しつつも、観光客数の増加だけではなく質の向上が重要であると述べている。
具体的には、滞在日数や消費額の拡大、首都以外の地域への誘導など、持続的成長を見据えた視点が不可欠であると指摘した。
観光業界では、ビザ免除の対象国を他国にも拡大すべきであるとの声が強まっている。特に日本や欧米諸国は高付加価値市場とされ、長期滞在や高い消費が期待可能なため、段階的なビザ免除の導入が有効とされている。
インド商工会会長のバブラン・パリハール氏も、直行便の就航を背景に、インド人観光客へのビザ免除適用を求めている。
現在、カンボジアはASEAN諸国に加え、モルディブやセーシェルに対してビザ免除措置を実施している。
国連世界観光機関(UNWTO)などの研究では、ビザ免除が観光客数の増加に寄与することが統計的に裏付けられており、マレーシアやベトナム、中国では実際に訪問者数が大幅に増加した事例が報告されている。
中国では2024年にビザ免除対象国を拡大した結果、外国人観光客数が前年比152%増となった。
もっとも、ビザ政策のみで観光振興が完結するわけではない。航空路線の拡充、宿泊施設や体験型商品の質的向上、ターゲット市場に即した効果的なプロモーションが不可欠であるとの指摘もある。
観光省は現在、2026年戦略計画とグリーンシーズン行動計画の整合を進め、通年型かつ高品質な観光地への転換を目指している。
ビザ免除はあくまで第一歩に過ぎず、観光政策の核心は、どのような観光の姿を育成していくかにある。
カンボジアは今、観光の質的転換と市場の多国籍化を見据えた、重要な戦略的転換点に立っている。
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