フン・マネット首相、タイとの国境協議に「全検問所の再開」条件

フン・マネット首相、タイとの国境協議に「全検問所の再開」条件
2025年07月03日(本日)00時00分 公開
フン・マネット首相、タイとの国境協議に「全検問所の再開」条件

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアのフン・マネット首相は、タイとの国境紛争を巡る協議に関して、タイ側が一方的に閉鎖したすべての国境検問所を再開しない限り、軍幹部による交渉は行わないとの方針を明言した。

 

6月7日にタイ政府が国境通行の制限を強化し、全検問所を閉鎖したことを受けたもので、これに対抗する形でカンボジアも国境封鎖に踏み切った。

 

両国の対立は、5月28日にカンボジア北西部オッダーミエンチェイ州モムベイ地区で発生した武力衝突を契機に激化している。

 

以降、国境周辺では軍備の増強が続き、緊張が高まっている。

 

フン・マネット首相は「検問所の全面再開が実現すれば、軍同士の協議や段階的な兵力削減についての協議が可能となる」と述べたうえで、現在の不信感はタイ政府と軍の間における指針の不一致に由来すると指摘した。

 

特に、タイ側で地方当局が検問所再開に前向きな姿勢を示した直後に、国防相がこれを否定した事例を挙げ「方針が統一されていない」と批判した。

 

また、タイ国内メディアで報じられた「カンボジアがタイ国民に対して不当な扱いをしている」との主張についても「カンボジア国内に取り残されたタイ車両は存在せず、不当な措置も講じていない」と反論した。

 

国境封鎖が貿易や人の往来に与える影響についても懸念を示し「我々には問題を拡大する意図も、通商や地域住民の生活を妨げる意図もなかった」と強調した。

 

タイ国内では、カンボジアが内政に干渉しているとの批判も浮上している。

 

しかし、これに対してフン・マネット首相は「我が国はタイの内政に関与していない」と否定し、上院議長フン・セン氏の発言は個人的見解であり、政府の最終的な政策決定権は自身にあると説明した。

 

カンボジア地域研究センターの上級顧問プー・ソティラック氏も「カンボジアの対応は一貫しており、国家主権の擁護を最優先に置いている」と述べたうえで、タイ政府と軍との間に見られる指揮系統の断絶が、両国間の対話進展を阻害しているとの見解を示した。

 

カンボジア政府は、タイ側が6月7日の一方的な国境閉鎖を撤回し、同様の事態を繰り返さないとの保証を行えば、自国側の検問所も5時間以内に再開する用意があるとしており、今後の情勢はタイ政府の対応に大きく左右される見通しである。

 

 

 

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