フン・セン氏のディープフェイク、当局が強い非難を表明

フン・セン氏のディープフェイク、当局が強い非難を表明
2025年07月02日(水)00時00分 公開
フン・セン氏のディープフェイク、当局が強い非難を表明

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア郵便電気通信省(MPTC)は、上院議長フン・セン氏の偽映像がSNS上で拡散されたことに対し、強い非難を表明した。

 

問題の映像は、人工知能(AI)技術を用いてフン・セン氏の姿と声を模倣し、「タイとの戦争資金を募る」とする虚偽の発言を行わせたものである。

 

この偽映像は、6月27日にプレアビヒア州で行われたフン・セン氏と公務員との実際の会合映像をもとに編集されており、AIによって生成された改ざん音声が挿入されていた。

 

音声の内容には「戦争に勝利すれば5万バーツを返金する」といった誘引が含まれており、当局は詐欺的行為の一環と見なして警戒を強めている。

 

映像はタイ人とされる人物によって制作されたとされる。

 

MPTCは声明の中で「これは悪意ある偽情報であり、容認すべきでない重大な不正行為である」と非難し、国内法に基づいて関与者を処罰するように関係機関に求めた。

 

また、SNS利用者および各種デジタルプラットフォームに対し、当該映像の削除と虚偽情報の拡散防止に向けた協力を要請している。

 

この問題に関連し、カンボジア独立メディアセンターのチャン・ソクンティア代表は「虚偽情報は民族間の対立や差別を助長し、両国の外交交渉に深刻な影響を及ぼしかねない」と警鐘を鳴らしている。

 

特にタイ国内には多数のカンボジア人労働者が滞在しており、その安全に対する懸念も高まっている。

 

カンボジアとタイの間では、かねてより国境問題をめぐる交渉が続けられており、今回のようなSNS上の偽情報は、両国の信頼関係および和平に向けた努力に深刻な悪影響を与える恐れがある。

 

政府は国民に対し、映像や音声情報の真偽を慎重に見極め、信頼できる情報源を通じて確認するように呼びかけている。

 

 

 

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