カンボジアで青魚アレルギー?実はヒスタミン中毒かも【現役医師が解説】

カンボジアで青魚アレルギー?実はヒスタミン中毒かも【現役医師が解説】
カンボジアで青魚アレルギー?実はヒスタミン中毒かも【現役医師が解説】

カンボジアのマーケットを歩いていると、屋外で肉や魚が売られているのを目にします。もちろん魚介類は水槽で生きたまま、または氷冷されて売られていますが、中にはちょっと保存状態が気になるお店もあったりします。ですから本当に買って食べても大丈夫なのかなと不安になってしまいます。

 

本当にサバによるアレルギー?

クリニックで診療をしていると、問診票のアレルギー欄に以前にサバを食べてアレルギーが出たと記載されている患者さんが時々いらっしゃいます。その時にいつも思うのが、本当にサバがアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)だったのかなということ。


確かに青魚に含まれるタンパク質の一種がアレルゲンとなって、アレルギー症状を引き起こすことがあります。しかし、その場合はサバといった一種類の魚のみにアレルギー反応が起きるのではなく、サンマ・アジ・カツオといった他の青魚でもアレルギー症状が現れてしまうことが多いようです。

 

実はヒスタミン中毒かも?

「以前はサバを食べても平気だったのに、今回はじんましんが出て顔が赤く腫れてしまった。」おそらく、このようなケースのほとんどは「ヒスタミン中毒」の可能性が高いと思われます。


ヒスタミン中毒はアレルギー体質でなくても誰にでも起こりうる食中毒で、ヒスタミンが大量に蓄積された魚を摂取した数分~数時間後に、じんましん・頭痛・めまい・動悸・結膜の充血・腹痛・嘔吐・下痢などの症状をきたします。重症になると、血圧低下・呼吸困難を認めることもありますが、健康な人なら何もしなくても1日以内に軽快します。食物アレルギーとよく似た症状を呈するので、食中毒だとは気づかないケースが多いようです。

 

ヒスタミンが大量に蓄積する理由ですが、サバ・マグロ・サンマ・カツオ・イワシといったヒスチジン(アミノ酸の一種)を多く含む魚を室温で放置すると、魚の体内でヒスタミンを産生する菌が増殖し、ヒスチジンがヒスタミンに変わってしまいます。これを摂取するとアレルギーに類似した食中毒を引き起こします。ヒスタミンは加熱・冷凍では分解されないため、いったんヒスタミンが蓄積した魚を十分に調理してもヒスタミン中毒になってしまいます。魚が腐っているわけではないので、味やニオイにほとんど変化がなく、気が付きません。

 

どうすれば予防できる?

ですから、室温で長時間放置されたような魚を購入しないように注意し、購入後の保存方法にも配慮が必要です。以前に青魚を食べた後にアレルギー症状を経験したことがある人は、一度クリニックや病院でアレルギー検査をしてみてもいいかもしれません。もしかしたら青魚がアレルゲンではない可能性もあります。いずれにしても、体の免疫力が低下している時は、アレルギーにも食中毒にもかかりやすいので、日頃から新鮮な食材の摂取と十分な休養を心がけることが重要です。

 

 

【病院情報】

​Sun International Clinic(サンインターナショナルクリニック)

● 住所:No.18, St.302, Sangkat BKK1, Khan Chamkamon, Phnom Penh
● 電話番号: 069-268-060/092-116-613(日本語対応可)
● 診察時間: 月~土 9:00〜18:00    日 9:00〜15:00(大型連休を除く)
● 診察科:総合診療(内科)、皮膚科、耳鼻咽喉科(アレルギー科)、整形外科、消化器科、小児科、婦人科、泌尿器科、形成外科、アンチエイジング治療
● カンボジア(プノンペン)にある日系病院
複数の日本人医師と看護師が常駐・在籍しています。受付をされてから診察を受けお帰りになるまで日本語で対応いたします。また全ての日系海外旅行保険とクレジット付帯保険と提携しており、キャッシュレスサービス対応が可能です。お気軽にお問い合わせください。
● HP: http://siclinic.com/

 

※この記事に記載されている情報は2019年2月のものです。本記事に記載されている情報は予告なしに変更される場合がございますが、ご了承ください。

 

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