カンボジアに滞在するにあたって、最も気を付けたい病気の1つに狂犬病があります。
日本の外務省はカンボジアへ長期滞在する人に対して、狂犬病のワクチン接種をすることを勧めています。
そこで、今回はプノンペンの日系病院「サン・インターナショナル・クリニック」が狂犬病について解説します。
カンボジアでの狂犬病って??
2019年2月にカンボジア・トボンクムン州で高齢男性が狂犬病で死亡しました。
死亡した男性の身内の方によると、男性は飼い犬と一緒に遊んでいる際に飼い犬に腹部を噛まれたということです。
男性は軽く噛まれただけだと思ったため、ワクチン接種は行わなかったようです。
ここで注意すべき点は、飼い犬など身近にいる動物でもカンボジアでは狂犬病ウイルスを持っている可能性があるということです。
日本では根絶された狂犬病ですが、カンボジアでは、「毎年800人が死亡している」とのことです。
しかし、カンボジアの医療、保健衛生や行政のレベルを考慮すれば、実際は800人を大幅に超えていると考えられます。
狂犬病ってなに??
狂犬病は、狂犬病ウイルスを持った動物にかまれてかかる病気です。
犬だけでなく、猫などの哺乳類全般が狂犬病ウイルスを持っている可能性があります。
発病すればほぼ100%死亡するため、カンボジアで動物にかまれた際には、直ちに医療機関を受診して発病予防のワクチン接種が必要です。
在カンボジア日本大使館は以下の狂犬病の対策を公表しています。
狂犬病にかからないための対策
- 動物にかまれなければ、狂犬病にはかかりません。自ら近づいたり手を出したりせず、動物との不用意な接触は避けてください。
- 犬・猫だけでなく、観光地のサル・コウモリにもかまれないよう、注意してください。(最近アンコール遺跡周辺では野生のサルが多く出現しているようですので、気をつけてください。)
- 万が一かまれた場合には、傷口を石けんで洗い、直ちに医師の診察を受けてください。ワクチンの在庫がなくても、次善の策を医師に相談してください。
- カンボジアに長期滞在される方、あるいは動物に接する機会の多い方は、渡航前の予防接種としてあらかじめワクチンを受けておくことをご検討ください。
動物に噛まれた時の対処法
人も動物も発症するとほぼ100%死亡しますが、人では感染後(感染動物に咬まれた後)にワクチンを連続して接種することにより発症を防ぐことができます。
狂犬病は感染してから発症するまでの期間(潜伏期)が一般に1ヶ月〜3ヶ月、長い場合には感染してから1年〜2年後に発症した事例もあります。
発症前に感染の有無を診断することができないということもあり、犬やコウモリ等による咬傷(曝露)を受けた際は出来るだけ早くワクチン接種を開始する必要があります。
なお、ワクチンは初回のみではなく複数回にわたり所定の回数の接種が必要となります。
実際の接種方法は、暴露前ワクチンの接種有無、現地での暴露後ワクチンの接種開始の有無および咬傷の状況等により異なりますので、現地の医師とよく相談してください。
日頃からお住まいの近くの病院に狂犬病ワクチンが置いてあるか確認しておくと安心です。
最も安心なのは事前に狂犬病ワクチンを打っておくことです!!
予防接種としてあらかじめワクチンを受けておくことをお勧めします。
狂犬病ワクチンは4週間隔で2回接種し、さらに6から12か月後に3回目を接種します。
その後の長期にわたる予防のためには、1年から2年に1回の追加接種が望まれます。
3回の接種後、抗体は約90%つくと言われており、2年後毎に追加接種(1回)をすることで抗体は維持できます。
接種時期と回数
まとめ
狂犬病はカンボジアで最も注意するべき病気の1つではありますが、予防できる病気でもあります。
カンボジアで安全に暮らすためにも、日頃から対策と予防を心がけることが必要です。
「サンインターナショナルクリニック」詳細情報
- 住所:No.18, St.302, Sangkat BKK1, Khan Chamkamon, Phnom Penh
- 電話番号:069-268-060 / 092-116-613(日本語対応可)
- 診察時間:月~土 9:00〜18:00 日 9:00〜15:00(大型連休を除く)
- 診察科:総合診療(内科)、皮膚科、耳鼻咽喉科(アレルギー科)、整形外科、消化器科、小児科、婦人科、泌尿器科、形成外科、アンチエイジング治療
- カンボジア(プノンペン)にある日系病院
複数の日本人医師と看護師が常駐・在籍しています。受付をされてから診察を受けお帰りになるまで日本語で対応いたします。また全ての日系海外旅行保険とクレジット付帯保険と提携しており、キャッシュレスサービス対応が可能です。お気軽にお問い合わせください。 - 公式HP: http://siclinic.com/