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<写真:khmertimeskh.com>
日本政府は、カンボジアにおける緊急医療体制の整備および地方医療の向上を目的として、無償資金協力「草の根・人間の安全保障無償資金協力(草の根無償)」の枠組みに基づき、総額18万3588ドル(約2750万円)の支援を実施する。
在カンボジア日本国大使館で行われた契約署名式では、植野駐カンボジア大使と受益団体の代表が協定書に署名した。
今回の支援は2つのプロジェクトに分かれており、それぞれ緊急医療の機動力向上と地方病院における医療機器整備を目的としている。
第1のプロジェクトは「プノンペン、カンダル州及びプレアシアヌーク州における中古救急車整備計画」であり、内務省傘下の消防救助局に対して12万308ドルが供与される。
これにより、日本製の中古救急車4台が導入され、プノンペンに2台、カンダール州およびプレアシアヌーク州にそれぞれ1台ずつが配備される予定である。
本整備により、都市部での火災や事故への初動対応力が強化され、対象地域に居住する約414万人の安全性向上が期待されている。
第2のプロジェクトは、「ラタナキリ州ボーケオ紹介病院への医療機器整備計画」であり、6万3280ドルが投じられ、X線装置、心電計(ECG)、および発電機が新たに導入される。
同病院では2021年以降、既存のX線装置が故障していたため、患者が約30km離れた州立病院へ移動する必要があった。
新機器の設置により、年間約9500人の患者に対する診断の精度と迅速性が大きく向上する見通しである。
草の根無償資金協力は1991年の開始以来、カンボジア国内で累計706件、総額7200万ドル超の支援を実施してきた。
植野大使は「急速な発展が進む一方で、依然として多くの課題が残されている。今後も多様なODAスキームを通じて、カンボジアの持続可能な発展を支援していく」と述べた。
ラタナキリ州保健局のチェア・サニット局長は「草の根無償による支援は、医療の質の向上に貢献するだけではなく、住民の経済的負担の軽減にも資するものであり、心から感謝している」と謝意を表した。
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