カンボジアでの食生活に注意!糖尿病など生活習慣病発症に現役医師が注意喚起

カンボジアでの食生活に注意!糖尿病など生活習慣病発症に現役医師が注意喚起
カンボジアでの食生活に注意!糖尿病など生活習慣病発症に現役医師が注意喚起

カンボジアにおける食生活に関して心配・懸念事項を抱えている方もいるのではないでしょうか。日本における食生活とカンボジアにおける食生活は自然と異なってくると思います。カンボジアという慣れない環境で自身に規制をかけない食生活を送っていると、中には糖尿病などの生活習慣病にかかってしまう人も出てきます。今回は、カンボジアで生活習慣病にかからないために、どのような食生活を送ればいいのかをプノンペンにある日系病院「ケンクリニック(Ken Clinic)」が解説します!

 

 

カンボジア人の若者も生活習慣病に

 

昨今、カンボジア人の健診を引き受けることが多くなりました。ほとんどの方が一見何の問題もなさそうな20代、30代の若者ですが、中には血糖値、コレステロール、中性脂肪などが高い人が結構います。いわゆる生活習慣病です。

 

カンボジア人の生活習慣病患者は同年代の日本人に比べて多いように感じます。理由の一つとして挙げられるのは、健康に関する教育の差だと思います。もう一つのは食生活・文化によるものではないでしょうか。それでは、続いてカンボジア人の食生活・文化について解説します。

 

 

カンボジア人の食生活はコメが主流

 

 

カンボジア人の食生活を象徴するものとして朝の挨拶が挙げられます。カンボジア人は朝の挨拶で「おはよう」の代わりに「朝ご飯食べた?」と言うことがしばしばあります。また、パンや麺を食べようが「ご飯」と表現します。つまり『ご飯=食事』であり、日本語と共通する言い回しなのです。他の国ではそうとは限らないので、この視点でカンボジア人の食生活を覗くのも面白いですね。

 

日本の食生活は米が主流の文化ですが、カンボジアでも米は食生活の中心でありました。昔から米作りは盛んなのです。二期作、三期作は当たり前で、四期作も夢ではないそう。米屋に行けば何十種類もの米を目にすることができます。

 

一般的なカンボジア人は朝昼晩と三食、米の飯か麺を食べます。そしてその量がすさまじく多いこともたびたびです。また、おかずやスープは、いかにご飯をたくさん食べるかという目的で作られたかのような濃い味付けのものが多いです。ついついご飯をおかわりしてしまいます。

 

これでは血糖値が上がるのも無理はないでしょう。ご飯1杯は角砂糖14個分に相当する糖質が含まれているためです。1食2杯のご飯を3食食べるとすると、毎日実に84個の角砂糖を摂り続けることになります。これにお菓子やジュースなどが加われば糖尿病にならない方がおかしいと思えてくるほどなのです。

 

 

カンボジア人のコメの消費量は非常に多い?

 

 


アジアはコメの主産地であり、コメの生産量・消費量がともに世界で最も多いです。参考までに日本人一人あたりのコメ消費量を紹介すると、戦前で年間160kg、1日3合、糖質に換算すると角砂糖84個分でした。戦後、食の多様化もあって日本人はあまりコメを食べなくなり、2013年で年間60kg弱、1日1.1合、角砂糖31個分の消費量です。

 

一方、カンボジア人一人あたりのコメ消費量は、2013年で年間230kg、1日4.2合、角砂糖118個分です。コメだけでこれほど多くの糖質を摂取しているので、糖尿病を発症する率はかなり高くなります。実際アジアでは全体的に有病者が増えており、カンボジアでもさらに増加するのは確実です。ちなみに、糖尿病の問題が昨今脚光を浴びているのは、これまでカンボジア人は糖尿病になる前に別の病気で亡くなっていたためです。

 

 

生活習慣病の代表「糖尿病」を解説


糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2種類があります。「1型糖尿病」はインスリンという血糖値を下げるホルモンを作る膵臓の細胞が壊されることで、インスリンが作られなくなる病気のことです。一方、今回説明する生活習慣病の一つして認識されている糖尿病は「2型糖尿病」で、悪い生活習慣が原因で症状がゆっくり進行します。「2型糖尿病」は血糖値の乱高下によってインスリンがうまく働かなくなることによって起こります。

 

では、血糖値はどのように上がるのでしょうか。血糖値を直接上げるのは、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素の中で炭水化物だけです。つまり炭水化物の食べ過ぎが糖尿病を招くことになります。炭水化物の代表がコメ・小麦であり、これらから作られるご飯・パン・麺、いわゆる「主食」が血糖値を大きく上げてしまうのです。逆に言うと、「主食」を食べ過ぎなければ糖尿病になることはありません。

 

 

カンボジア在住日本人も「糖尿病」にかかる恐れがある

 

カンボジア在住日本人でもカンボジア流食生活を続けていると発症しやすくなることは容易に想像できます。特にローカライズされていると自覚している方は、カンボジアにおける食生活を見直してみてはどうでしょうか。具体的には、タンパク質と脂質は血糖値を直接上げないので、肉・魚などを食べるようにするべきです。主食の代わりにおかずをたくさん食べましょう。肥満も中性脂肪過多も実は糖質が原因です。あぶらは控える必要がありません。

 

 

まとめ

 

カンボジア在住日本人の方、カンボジアには美味しいレストランやローカル料理が多くあり、ついついご飯を食べ過ぎてしまうこともあると思います。ただ、ときには食生活を見直して健康第一でカンボジア生活を送れるといいですね。記事を参考に、生活習慣病を予防してください!

 

※この記事に記載されている情報は2018年9月のものです。本記事に記載されている情報は予告なしに変更される場合がございますが、ご了承ください。

 

【病院情報】

Ken Clinic

住所:No.14A, St.370, Sangkat Boeng Keng Kang 1, Phnom Penh
電話番号: 023-223843/012-865-039(時間外)
診察時間:月~土08:30~13:00,  15:00~19:00、日祭日休診
診察科:一般総合診療、外科、内科、小児科、予防接種(予約)
カンボジア初の日本人開業医
日本人医師が診察。大手の海外旅行保険取り扱い可能
2010年2月にオープン。
外科・内科・小児科・予防接種・健康診断対応。
柔道整復師や鍼灸師による治療も受けられます。
HP:http://www.kenclinic-cambodia.com/

 

 

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