カンボジアの衣服・履物・旅行用品輸出、第1四半期は25%減

カンボジアの衣服・履物・旅行用品輸出、第1四半期は25%減
2023年05月12日 14時19分 公開
カンボジアの衣服・履物・旅行用品輸出、第1四半期は25%減

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアの主要生産品目である衣服・履物・旅行用品(GFT)の輸出額は、今年第1四半期に前年同期比24.63%減となり苦境が続いている。

 

関税消費税総局(GDCE)が10日に発表した最新の貿易データによると、同国における1〜4月のGFT輸出額は前年同期の41億1000万ドル(約5530億円)から減少し、31億ドル(約4171億円)であった。

 

今年第1四半期の輸出額を月別で見ると、1月が前年同月比28%以上減、2月が24.54%減、3月が14.6%減、4月が30.42%減となっている。

 

GFT商品のうちニット製品の輸出収入は、前年同期の19億5000万ドル(約2624億円)から28.5%減となる13億9000万ドル(約1870億円)で、非ニット製品は9億2200万ドル(約1240億円)から18.1%減となる7億5472万ドル(約1015億円)であった。

 

旅行用品は前年同期の6億7200万ドル(約904億円)から23.3%減となる5億1500万ドル(約693億円)、履物については5億7064万ドル(約768億円)から23.4%減となる4億3691万ドル(約588億円)に減少した。

 

GDCEのデータによると、カンボジアの国際貿易額は今年第1四半期で前年比14.1%減となる151億6000万ドル(約2兆円)となっている。

 

国内ではGFT商品の輸出収入落ち込みが2022年後半から続いており、さらなる工場閉鎖や雇用喪失への懸念が高まっている。

 

GFT分野では75万人以上の人々に雇用を創出しており、その大半が女性である。

 

今年4月末までの同部門の輸出比率は41%であったが、昨年同期には53%であったことから、減少傾向への懸念が浮き彫りになっている。

 

専門家によると、ヨーロッパやアメリカの小売業者が前シーズンの在庫を抱えているため、需要が低下した状態となっている。

 

カンボジア繊維・アパレル・履物・旅行用品協会(TAFTAC)のKen Loo会長はクメールタイムズに対し「GFT輸出の減少は予想されていたことであり、今年中は輸出低迷が続く可能性がある」と述べた。

 

同会長によると、ロシア・ウクライナ戦争やインフレ、米国のカンボジアに対する一般特恵関税制度(GSP)が失効したこともGFT輸出が低迷している要因となっている。

 

カンボジア王立アカデミーのシニアエコノミストであるKy Sereyvath氏も、ロシア・ウクライナ戦争による経済危機への影響が世界の需要に影響を与えていることを指摘している。

 

カンボジア政府は繊維・衣料品工場のオーナーと提携し、工場閉鎖や人員整理で失職した労働者に毎月70ドル(約9400円)を提供する支援制度を開始した。

 

複数の報告によると、今年2月までに国内では70以上の工場が閉鎖され、3万2023人の労働者が失業している。

 

 

 

[© poste-kh.com 2016-2024 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。

ホットニュース

Choose Classified categories