カンボジアのデータセンター市場、急成長の見通し

カンボジアのデータセンター市場、急成長の見通し
2024年08月15日(木)00時00分 公開
カンボジアのデータセンター市場、急成長の見通し

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアのデータセンター市場が急速に成長する見通しであり、最新の調査報告書によると、同国におけるデータセンターおよびデータセンターコロケーション市場は、デジタル変革やクラウドサービスの拡大、地元のデータホスティングのトレンドに牽引され、今後数年間で急速な成長が期待されている。

 

報告書によると、2023年におけるカンボジアのデータセンターコロケーション市場の評価額は1億5642万ドルであり、2032年までには4億1556万ドルに達する見通しである。また、この市場は2024年から2032年にかけて、年平均成長率(CAGR)12.3%で拡大すると予測されている。

 

この成長を支える要因として、主要な国際IT企業との連携による国内のコロケーション施設の増加、そして国の長期的な社会経済的および政治的目標とデジタル化の戦略的整合が挙げられる。

 

特に注目すべき成長要因として、インターネット普及率の上昇やデジタルトランスフォーメーションの推進、政府のデータセンター産業発展を支援するインセンティブや政策、クラウドデータ領域における災害復旧および事業継続ソリューションの需要増加が指摘されている。

 

2023年時点で、カンボジアには1000万人を超えるインターネットユーザーと2000万件以上のモバイル契約が存在しており、信頼性の高いデータストレージソリューションの需要が高まっている。この他にも、国内で月に5億時間以上のコンテンツがストリーミングされるなど、ソーシャルメディアやオーバーザトップ(OTT)プラットフォームからのデータ量の増加が、さらなるコロケーション施設の需要を後押ししている。

 

また、カンボジア王国政府(RGC)が2023年にデジタルインフラに約1億ドルの投資を行ったことが、インターネット利用の促進と地元のデータ需要の加速に寄与していることも報告された。

 

クラウドサービスの普及も同国のデータソリューション需要の拡大に大きく寄与しており、過去1年間で500以上の企業がクラウドベースのソリューションを導入している。さらに、2023年には1500を超える新規のeコマース事業が設立されるなど、ローカルビジネスにおける電子商取引の成長も需要増に貢献している。

 

カンボジアの通信セクターは2023年に12億ドルの収益を上げており、この成長を裏付ける主要な新データセンターが続々と市場に投入されているという。特に、2023年にカンボジアとシンガポールの共同事業として立ち上げられたByteDC SolutionsのTier IIIデータセンターが注目されており、これはカンボジア初のTier III認証を受けた施設で、政府と民間セクター向けの信頼性の高いデータストレージソリューションを提供している。

 

市場は現在、ByteDC、Chaktomuk、Kepstar Data Centre、NeocomISP(NTC)、KDDI Corporationの5社が主要プレーヤーとして支配しており、これらの企業は市場収益の80%以上を占める。ByteDCが市場シェア29.63%で先行しており、その優位性は戦略的な投資と高水準の信頼性を備えたTier IIIデータセンターの設立に起因している。

 

一方で、急速な成長にもかかわらず、同市場に参入する際にはいくつかの課題が存在している。具体的には、データセンター運用と保守に必要な専門技術者の不足、近代的なコロケーションデータセンターの設立にかかる高額な初期投資コスト、および急速に進化する技術環境における規制やコンプライアンスの複雑さなどが挙げられる。

 

 

 

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