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<写真:Khmer Times>
カンボジア・シェムリアップ州の世界遺産アンコール・ワットにおいて、17日夕刻に落雷による死亡事故が発生した。
犠牲者は3人、負傷者は数十人にのぼる。乾季の閑散期に発生したこの惨事に対し、観光業界では訪問者数の減少を懸念する声が強まりつつある。
死亡が確認されたのは、シェムリアップ市に在住する写真家1人、およびプノンペンとカンポット州からの女性観光客2人である。
事故当時、遺跡には多くの観光客や地元住民が滞在しており、現場の様子はSNSを通じて瞬く間に拡散された。負傷者は直後に近隣の医療機関へ搬送された。
アンコール遺跡群を管轄するアプサラ機構および政府は、現時点で事故に関する公式な声明を発していない。
政府報道官および観光大臣は「観光産業への悪影響を最小限に抑えるため、報道を控える姿勢を評価する」との立場を明らかにしている。
しかしながら、国内外の報道機関はすでに本件を広く報じており、観光業界内部では影響の波及を懸念する声が相次いでいる。
アンコール観光ガイド協会のキエウ・ティ会長は「観光業の回復が道半ばであるなか、このような事故が心理的な影響を及ぼし、訪問予定のキャンセルが相次ぐ可能性がある」との見解を述べた。
さらに、現地の旅行代理店関係者からは「落雷ではなく爆弾によるものである」とする根拠のない噂がSNS上で拡散されていることへの懸念も示されている。
専門家からは今回の事故を契機とし、歴史的建造物に対する落雷防止策の強化が求められている。
国立マネジメント大学のヤン・レアクスメイ講師は「世界遺産としての文化的・構造的価値を保持しながら、訪問者の安全を確保するための包括的な安全対策が急務である」と強調している。
なお、カンボジア気象省は5月初旬、今季は例年より落雷や暴風雨の発生頻度が高まるとの警告を発していた。
今回の事故を受け、関係機関には透明性ある対応と再発防止に向けた具体的な措置の構築が求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。