カンボジア寺院の住職、タイ空爆で死亡

カンボジア寺院の住職、タイ空爆で死亡
2025年07月28日(月)00時00分 公開
カンボジア寺院の住職、タイ空爆で死亡

<写真:Khmer Times>

 

2025年7月25日、カンボジア北西部オダルメアチェイ州当局は、同州に所在する仏教寺院の住職がタイ軍による空爆で死亡したと発表した。

 

同日朝までに少なくとも地元住民1人が死亡、5人が負傷したとされており、犠牲者はいずれも民間人であった。

 

報道によれば、タイ空軍は7月24日夜、国境論争地帯に接するウドーミアンチェイ州トゥラペイン・プラサート郡付近を空爆した。

 

ワット・タ・モアン・セン・チェイ寺院は爆撃を受けて甚大な被害を受け、住職が致命傷を負って死亡したほか、周辺の住居も壊滅的な損害を被った。

 

住民の多くは夜間のうちにシェムリアップ方面へ避難しており、地域全体で数千人規模の避難民が発生していると報告されている。

 

今回の攻撃は、長年にわたり両国が領有権を争ってきた国境地域において発生した。

 

特に、プリア・ヴィヘア寺院を含むエメラルド三角地帯と呼ばれる宗教的・歴史的にも象徴性の高いエリアを巡る緊張が、今回の衝突の背景にある。

 

7月24日には、タイ空軍のF-16戦闘機による空爆と、それに対するロケット砲による応酬が行われ、事態は急速に軍事的緊張を高めた。

 

カンボジアのフン・マネット首相は、タイによる攻撃を「計画的かつ非道」と非難し、国連安全保障理事会に対して緊急会合の開催を要請した。

 

一方、タイ政府は今回の空爆を自衛措置であったと主張し、国境封鎖とカンボジア大使の追放措置を講じたと報じられている。

 

両国は互いに先制攻撃の責任をなすりつけ合い、外交関係は急速に悪化している。

 

特に住職という宗教的指導者が犠牲となったことは、単なる軍事的被害を超えて、地域住民の信仰心や文化的感情に深刻な影響を与えるものである。

 

寺院や宗教施設が攻撃対象となったことは、国際社会に対し極めて重大な問題を突きつけており、今後の対応にはASEANや国連による緊急的かつ中立的な調停が求められる情勢となっている。

 

 

 

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