おすすめのプロモーション
<写真:Khmer Times>
元オクナのスレイ・シナ被告が引き起こした悲劇的な殺人事件に対し、プノンペン地方裁判所は厳罰を言い渡した。
同被告には30年以上の懲役刑が科され、犠牲者遺族への巨額の賠償命令も下された。
ケウト・リット法務大臣はこの判決を「待望の正義の実現」と称賛し、カンボジア司法史における重要な一歩と位置づけた。
この事件は6月17日、プノンペン市チャバンポー区ボレイペンフートで発生した。
シナ被告と賃借人であるサン・スレイ・ピッチ氏との間で起きた物件侵害問題が発端となった。
ロン・リソン氏(27)とその婚約者キム・カンチャナ氏(25)が命を落とし、さらに2人が負傷する惨劇へと発展した。
裁判所はシナ被告に対し殺人および違法武器使用の罪で15年の懲役刑と、それぞれ100万ドルの賠償金を命じた。
また、殺人未遂に関しても15年の懲役刑と賠償命令を課し、住居侵入では1年の懲役刑が追加された。これらを合計し、刑期は30年以上となった。
この判決についてリット法務大臣は「法の厳格な適用と公正な判断が両立した判例」と評価している。
さらに、犠牲者家族への100万ドルという賠償額はカンボジアの刑事司法史上例を見ないものであり、遺族の慰めとなることを願うと述べた。
同時にシナ被告が恩赦や減刑の対象とならないよう徹底し、賠償金の支払いを確実に監視する方針を明言した。
殺害されたキム・カンチャナ氏の父親であるマイング・ボニー氏は「仏教徒としての慈悲の心から判決を受け入れるが、娘を失った悲しみは消えることがない」と心境を語った。
一方、リソン氏とカンチャナ氏の遺族は、予定されていた結婚式の日に死後婚を行い、2人が来世で再会することを祈った。
法学専門家のソン・チュム・チュオン氏は判決を「公正かつ妥当」と評価し、「富や権力を持つ者であっても、法の裁きを免れることはできないという重要なメッセージを社会に発信した」と指摘した。
さらに、この判決が他の富裕層や権力者への警鐘となることを期待していると述べた。
今回の判決は長年の不公平感や司法への不信感を抱いてきたカンボジア市民に対する強いメッセージとなった。
リット法務大臣は「現代社会における正義のあり方を示す判決」として法の厳正さと公正さを守る決意を表明した。
さらに、司法制度全体の透明性と信頼性向上に向けた取り組みを強化する方針を示した。
司法の厳正さと公正さが改めて強調される中、カンボジアの司法制度がどのように進化していくのか、国民の注目が集まっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。