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<写真:Khmer Times>
カンボジアとラオス、ベトナムの3カ国は、人身売買問題への取り組みを強化するため、協力体制をさらに深化させている。
12月18日と19日、シェムリアップ市のエンプレスホテルで、3カ国合同会議が開催された。
この会議は越境的な人身売買問題に対処するための重要な取り組みと位置付けられ、カンボジア国家人身売買対策委員会(NCCT)が主導した。
会議には3カ国から14人の代表者が参加し、各省庁やシェムリアップ州行政、国際移住機関(IOM)の関係者も出席し、NCCT副委員長であり内務省の州務次官でもあるチョウ・ブン・エン氏が議長を務めた。
今回の会議では越境移動者が直面する課題や各国の対策を評価し、特に既存の取り組みの課題やデータ収集・共有の実績、越境管理の改善策について議論が行われた。
また、3カ国間での定期的な協議と情報共有を実現するための枠組み構築が議題に挙がり、会議の成果として共同覚書の草案が策定された。
この覚書は各国代表団長の承認を経て正式に調印される予定である。
カンボジアでは、タイとの協力を通じて人身売買被害者の特定と救出を進めており、6月以降、その取り組みを強化している。
また、12月12日には「人身売買撲滅全国デー」を迎え、「デジタル時代におけるあらゆる形態の人身売買に断固反対する」というテーマのもとで意識啓発活動が行われた。
フン・マネット首相は人身売買問題のグローバル性を指摘し、国家間の連携が不可欠であると強調した。
しかしながら、カンボジアの現状には課題も残されている。
米国国務省の2024年版報告書は、カンボジアを人身売買対策で最低ランクの「ティア3」に位置付けた。
この報告書では被害者支援センターの開設や捜査協力、政府職員向けオンライン研修などの進展が評価される一方で、基準を完全に満たすにはさらなる改善が必要であると指摘されている。
これを受けて、カンボジア内務省は「2024-2028年国家人身売買対策戦略計画」を発表し、人権と尊厳を尊重しつつ政府の取り組みを強化することを目指している。
カンボジアとラオス、ベトナムが取り組む協調的な人身売買対策は、地域連携の模範となり得る。今後、3カ国が連携を深め、具体的な成果を挙げることが期待される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。