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<写真:Khmer Times>
東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局が公表した最新の報告書によれば、カンボジアにおける第3次産業の国内総生産(GDP)への寄与率は38.6%にとどまり、域内各国と比較して相対的に低水準であることが明らかとなった。
同報告書はASEAN加盟国間における経済構造のばらつきを指摘しており、域内の多くの国々で第3次産業がGDPの過半を占める中、カンボジアはその例外とされた。
具体的にはシンガポールでは第3次産業がGDPの76.4%を占めるほか、フィリピン(62.4%)、タイ(58.5%)、マレーシア(54.0%)、ベトナム(46.4%)、インドネシア(44.8%)といった国々でも高い水準を示している。
一方で、カンボジアは第1次産業の比率が21.1%と高く、農業を中心とする資源依存型の経済構造が依然として色濃く残っている。
類似の傾向はブルネイ(40.4%)、ラオス(27.5%)、ミャンマー(27.1%)、インドネシア(24.1%)といった国々でも見られる。
ASEAN全体では、2023年時点で第3次産業のGDP比率は53.9%に達し、2015年の52.5%から上昇傾向にある。新型コロナウイルス感染拡大による一時的な鈍化を経て、域内における国内貿易、交通、宿泊業、金融、行政サービスといった分野の重要性が高まりつつあることが示されている。
これに対し、第2次産業および第1次産業の比率は低下傾向にあり、2015年から2023年にかけて第2次産業は31.3%から30.3%に、第1次産業は16.2%から15.8%に縮小している。ASEAN経済の近代化が進み、より付加価値の高い産業分野への転換が加速していることがうかがえる。
カンボジア経済の現状に関し、中国・復旦大学経済研究センターの研究員であるセン・ホン氏は、第3次産業の比率が低いことについて「政策的な懸念材料とはならない」との見解を示した。
経済は農業から工業、そしてサービス業へと段階的に発展するものであり、カンボジアも2029年の後発開発途上国(LDC)卒業に向けて、サービス産業が徐々に拡大していくと予測している。
また、同氏はカンボジアにおいて銀行や保険など成長著しいサービス分野が存在している点を強調し、「製造業への投資と雇用が多いため、統計上の比率には偏りがある」との分析を加えている。
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