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<写真:khmertimeskh.com>
タイの外相シハサック・プアンゲオケオ氏は、カンボジアのフン・マネット首相が「タイ軍がカンボジア領を占拠している」と主張したことを明確に否定し、両国間の停戦合意は維持されていると強調した。一方、カンボジア側は主権侵害が続いていると反発しており、係争地周辺では大規模な住民避難が発生している。
シハサック氏は仏テレビ局フランス24の番組で、2025年12月下旬に成立した停戦について「依然として脆弱である」と認めた。そのうえで「事態のエスカレーションを回避し、信頼醸成を進めることが必要である」と述べ、対話継続の重要性を訴えた。
これに先立ちフン・マネット首相は、ロイター通信や米FOXニュースとのインタビューで、タイ軍がコンテナや有刺鉄線を設置し、カンボジアが自国領と認識する地域を占拠していると非難していた。これに対しシハサック氏は、停戦合意に基づき双方の部隊は現状の配置を維持していると説明し、問題とされる設置地点はいずれもタイ領内であると主張した。
さらに同氏は、過去のカンボジア内戦期にタイが多数の難民を受け入れた歴史的経緯が、現在の土地問題の一因となっているとの認識を示した。そのうえで「挑発や誤情報を避けるべきである」と述べ、冷静な対応を求めた。
また、タイのアヌティン首相が対カンボジア強硬姿勢や国境壁建設の可能性に言及していることについては「主権と領土保全を守るために必要な措置を講じる」としつつも、今後の対応はカンボジア側の出方次第であるとの立場を示した。
一方、カンボジア政府は外交ルートを通じて国際社会への働きかけを強めている。フランスでは、国際フランコフォニー機関の事務総長ルイーズ・ムシキワボ氏が主宰する会合において、在フランス大使リュイ・ダビッド氏が国境情勢による人道的影響を訴えた。
同氏は、女性や子どもを含む6万人超が帰還できない状況にあると説明し、女性の強靱性や経済的自立を支援する事業の優先を求めた。
カンボジア内務省によれば、2月23日時点で国境紛争により64万人超が避難し、このうち約6万6000人が依然として帰還できていないという。
停戦は維持されているものの、双方の主張は平行線をたどっている。外交対話は継続しているが、相互不信の解消と人道状況の改善が急務である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。