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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアの鉱山・エネルギー相ケオ・ラタナックは、2026年の「ASEAN・カンボジア・ビジネスサミット」への出席に際し、記者団に対して、現時点で同国の燃料供給に差し迫った混乱はないとの認識を示した。
中東情勢の緊迫化により世界的に石油やガス価格の上昇が懸念されているものの、国内供給は安定していると説明した。
中東、とりわけホルムズ海峡は、世界の石油・ガス輸送の2割以上が通過する要衝である。
イランが同海域を通過する船舶への攻撃の可能性を示唆したことで、国際的な供給ルートへの影響が懸念されている。
仮に輸送が混乱すれば、欧州や中国、インドなど主要経済圏にも影響が及ぶ可能性がある。
カンボジアは石油やガスの大半を輸入に依存しており、国際市場の価格変動の影響を受けやすい構造にある。
現時点で供給不足は生じていないものの、今後原油価格が上昇すれば国内の燃料価格も上昇する可能性があると同相は指摘した。
また、長期的な紛争は世界のエネルギー市場に混乱をもたらす恐れがあるとして、関係国に対し対話による解決を求めた。
一方、政府はエネルギー安全保障の強化を目的として、国内初となる石油精製所の建設を検討している。
ラタナック氏によれば、複数の投資企業と協議を進めており、計画が順調に進めば約3年以内の稼働を目指す。
現在のカンボジアには原油を処理する精製施設や大規模な原油備蓄設備がなく、ガソリンや軽油、ジェット燃料など石油製品のほぼ全量を近隣国の精製所から輸入している。
そのため、輸送コストや国際市場の価格変動の影響を受けやすい状況にある。
政府がこれまで精製所建設に慎重だった背景には、巨額の投資と十分な国内需要の確保という課題があった。
しかし近年は、経済成長や都市化、自動車保有台数の増加に伴い燃料需要が急速に拡大している。製造業や物流、観光産業の拡大もエネルギー消費を押し上げている。
国内に精製能力が整えば、燃料供給の安定化や輸送コストの削減に加え、貯蔵施設やパイプライン、石油化学関連産業など周辺インフラへの投資も促進される可能性がある。
カンボジアは2020年、タイ湾のアプサラ油田で初めて海洋石油の生産を開始したが、事業者の財務問題により生産は停滞した経緯がある。
それでも政府はエネルギー分野の開発を継続し、長期的なエネルギー自立と経済成長の基盤強化を目指している。
計画どおり精製所が建設されれば、同国のエネルギー産業にとって大きな節目となり、地域の燃料供給網における役割にも変化をもたらす可能性がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。