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<写真:khmertimeskh.com>
米国とイスラエルによるイラン攻撃を契機に中東戦争が激化し、国際社会の関心が同地域に集中することで、カンボジアとタイの国境紛争への注目が薄れる可能性が指摘されている。
専門家は、世界の関心が中東情勢に向かえば、タイがカンボジア領内での軍事行動を継続・拡大する余地が生まれると警戒する。
中東では2月28日、米国とイスラエルによる攻撃でイランの最高指導者アリー・ハメネイ師が殺害され、情勢が急速に悪化した。
米国とイスラエルは「エピック・フューリー作戦」を展開し、イスファハンの核関連施設やテヘランの安全保障施設など、イラン国内1250カ所以上を攻撃した。
これに対しイランは、米国の同盟国である湾岸諸国に向けて多数のドローンやミサイルによる報復を行っている。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、紛争拡大を防ぐため即時の戦闘停止と緊張緩和を求め、「持続的な平和は対話と交渉によってのみ達成される」と声明で訴えた。
グテーレス氏は、2025年に二度の武力衝突が発生し多数の死傷者と避難民を出したカンボジア・タイ国境問題についても、同様に対話による解決を呼び掛けている。
しかし、国際社会の関心が中東に集中すれば、東南アジアの国境紛争は相対的に注目度が低下する可能性がある。
カンボジアの研究者ユク・チャン氏は「イラン攻撃は世界の報道を占めるため、カンボジアにとって必ずしも好ましい状況ではない。タイに圧力をかけるためには国際的な注目が必要だ」と指摘する。
中東戦争は「タイの軍事行動を覆い隠す可能性がある」との見方を示した。
カンボジア国際関係研究所のキン・ピア総局長も「中東の大規模戦争に比べれば、カンボジアとタイの国境問題は小さな紛争に見えてしまう」と分析する。
国際社会の関心が薄れることで、タイ軍がカンボジア領の占拠を続けたり、静かに軍事作戦を実施したりする余地が生まれる可能性があるという。
また、世界情勢の不安定化は、国境画定の枠組みである2000年覚書(MOU)や1907年の仏暹条約と付属地図といった既存の取り決めを、タイ側が軽視する契機になりかねないとの懸念も示されている。
こうした状況を踏まえ、専門家はカンボジア政府に対し、タイの軍事・外交動向を慎重に見極めながら国際社会への情報発信と証拠収集を強化する必要があると指摘する。
大国が国際法に二重基準を適用する傾向が強まる中、小国であるカンボジアは軍事力や経済力の強化によって国内の強靱性を高めるとともに、外交努力を継続することが求められるとしている。
両国政府は中東情勢について深い懸念を表明し、民間人の被害拡大を防ぐため最大限の自制を求めている。
一方、タイ軍はカンボジアが長距離多連装ロケット砲「PHL-03」を国境に配備した場合、カンボジア領内への攻撃を拡大する可能性を示唆している。
カンボジア側ではフン・マネット首相が米国や欧州を訪問し、外交関係の強化と国境紛争の平和的解決を訴えている。
専門家は、米国などとの関係改善がカンボジアにとって一定の外交的支えとなる可能性があるとみている。
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