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<写真:khmertimeskh.com>
アジア開発銀行(ADB)は、中東における紛争が長期化した場合、アジア・太平洋地域の新興国において、2026~2027年の経済成長率が最大1.3ポイント押し下げられ、インフレ率が最大3.2ポイント上昇する可能性があるとの試算を公表した。
同紛争は、エネルギー価格の上昇に加え、供給網や貿易の混乱、金融環境の引き締まりを通じて地域経済に影響を及ぼすとされる。さらに、観光収入や海外送金の減少も懸念材料である。
ADBは、影響の大きさは混乱の持続期間に左右されるとし、複数のシナリオを提示した。短期的な紛争であればエネルギー価格への圧力は比較的早期に緩和される一方、長期化した場合には成長と物価への影響がより大きく、かつ持続的になると分析している。
地域別では、東南アジアや太平洋の新興国で成長への打撃が大きく、南アジアではインフレ上昇がより顕著になる見通しである。ただし、紛争の展開には不確実性が高く、見通しには幅があると指摘している。
ADBのチーフエコノミストであるアルバート・パーク氏は「エネルギー供給の混乱が長引けば、成長の鈍化とインフレ上昇の双方に直面し、政策運営は難しさを増す」と指摘する。その上で、市場の安定維持と脆弱層の保護、さらには経済の耐性強化が重要であると強調した。
政策対応としては、価格抑制よりも市場機能を重視した安定化策が望ましいとされる。エネルギー価格の上昇を一定程度受け入れることで、省エネルギーや代替エネルギーへの投資を促す狙いがある。一方で、広範な価格統制や補助金は資源配分を歪める恐れがあると指摘する。
また、財政支援は対象を限定し、期間も絞ることで、脆弱な家計や影響の大きい産業に重点的に配分すべきとする。金融政策においては、過度な引き締めを避けつつ、市場の過度な変動を抑制し、インフレ期待の安定に注力する必要がある。
さらに、空調使用の抑制や照明の削減、在宅勤務の活用、公共交通の利用促進など、エネルギー需要を抑える取り組みも有効であると指摘している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。