カンボジアの観光産業の成長に必要な4つの要素

カンボジアの観光産業の成長に必要な4つの要素
2017年01月29日 00時00分 公開
カンボジアの観光産業の成長に必要な4つの要素


カンボジアにとって観光産業は経済発展の柱の一つであり、観光産業の継続的な成長はこの国が健全に国力を蓄えていくためには欠かせないものなのだ。カンボジア国家観光連盟の事務局長であるホー・ヴァンディ氏は、観光産業が直面している状況についてクメールタイムズに対して語った。


ーーーこれまでどのようにカンボジアの観光産業は発展してきたのか?

過去20年間、カンボジアの観光産業は安定的に成長してきている。カンボジアに属する観光関連の営業が全国に広がっている。観光スポットも次々と開拓されている。政府によって航空協定の一つであるオープンスカイ協定が結ばれると、観光客らが直行便でカンボジアに訪れることが出来るようになった。当初は5便しかなかった直行便も、今や30社以上と提携を結び、民間航空のみならずチャーター便も運航するまでに発展した。

ホテルやゲストハウスの数も急激に増えており、観光産業を支える高速道路や線路などのインフラの整備も進んでいる。2016年の観光省のデータによるとカンボジアでは、ホテルが647軒、ゲストハウスが1996軒、レストランが1844店、旅行代理店が588店、5088人のガイドが登録されているという。観光産業は地道に発展を続けてきて、大きな進歩を見せている。



ーーーEUからの観光客数が冷え込んでいるようたが、他の市場へのアプローチは考えてるのか?

アセアンやメコン地域、中国、韓国、日本といった市場を考えているので、こうした国々や地域に対して観光を促進させていきたい。観光省が去年発行した『China Ready for Cambodia Tourism』という白書の中で、2020年まで毎年200万人の中国人観光客に訪れてもらうよう努力していくことで、海外旅行者の中で中国人セクターを開拓していこうという5か年計画について触れられていた。

2020年までに200万人の中国人観光客を迎え入れるためには、政府はChina Ready Center (CRC)を立ち上げて運営してきた。この機関は、カンボジアに中国人観光客を取り入れるために欠かせない機関である。増えつつある中国人観光客から焦点をそらすことはできない。



ーーー自然の観光地が少ない中、モールや娯楽施設を建設するなど、私営の機関と政府が協力機関を結んで観光客を引き付けようと取り組んでいることについて

開発が進んでいるところも遅れているところもあるのは、我々の機関でも把握している。こうした国内観光が抱える課題は、観光産業を促進しようという気のない民間企業の希薄な関わり合い、観光省が行うべき観光戦略や観光促進運動の不足に起因している。カンボジアの観光産業がどのようにより大きな国際市場に適合していくか、どのように国が祭日やイベントを国際的に調整していくかの調査及び研究が不足している。

観光省はマーケティング戦略や計画について根気よく取り組んでいかなければならない。正確な計画が仕上がったなら、政府と民間機関が協働して計画を進めていくべきである。うまく観光客をひきつけて国内に長く滞在してもらうために用意された、世界トップクラスのパフォーマーがそろう娯楽施設、自然豊かな国立公園、サファリパーク、ナイトズーなど、観光客を引き付ける要素が現在不足している。



ーーー政府はどのようにして観光産業を多様化させていくのか?

高度な観光産業の発展に必要なインフラの整備とアウトドアのスポーツに関心のある専門人材の不足を補っていく必要がある。さらに、ボランティアのような観光資源に含まれるものを民間機関が充実させて、若者がボランティアをしながら観光できるような仕組みを構築していくこともできるし、エコツーリズムの重要性も看過できない。カンボジア-タイの国境やカンボジア-ラオス-ベトナムの国境に沿って素晴らしい観光スポットが広がっている。
このような観光資源はより多くの観光客をひきつける潜在性を秘めており、政府と民間部門が行うマーケティング戦略や観光促進戦略に左右される。



ーーー特にここ二年間、カンボジア人海外旅行者が増加が、国内旅行市場に与える影響について。また、海外旅行をするカンボジア人が増加している原因について。

近隣国はうまく観光促進活動を多様化させていて、その結果カンボジア人観光客の獲得につながっている。タイやベトナム、シンガポール、中国、韓国などに買い物や娯楽を求めて訪れているようだ。また、高度な医療処置を求めてタイ、ベトナム、シンガポールに行くカンボジア人もいる。ASEAN加盟国10か国はVISA無しで渡航でき、これも大きな一因となっている。



ーーーカンボジア経済にとって観光産業は主要な分野だが、今まで以上に観光産業を促進していくべきか?

観光産業がより発展するには輸送設備と医療機関の建設が要である。交通における問題はまだまだ多く、交通渋滞は観光客が恐れる交通問題となっている。清潔な公衆トイレも不足しており、衛生面を改善していくことも見過ごすわけにはいかない。
また、不道徳的な観光代理店に関しては観光警察によって取り締まりがなされるべきである。このような代理店は国中に名が知れ渡ることになり、観光産業全体に悪い影響を及ぼす可能性すらある。



ーーー2020年までに700万の観光客を呼び込もうとしていることについて

2020年までにカンボジアに訪れる海外旅行者を700万人に到達させるのは不可能な目標ではないが、以下4点に留意しておかなければならない。政治的な安定性を保っていること、健全な経済を維持して金融危機に陥らないこと、大災害が起こらないこと、テロの脅威にさらされないこと、この4点だ。観光客を魅了し、産業全体を成長させていくためにはこの四点に注目しておく必要がある。
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