米・イスラエルのイラン攻撃、カンボジア経済に及ぼす波及リスク

米・イスラエルのイラン攻撃、カンボジア経済に及ぼす波及リスク
2026年03月04日(水)00時00分 公開
米・イスラエルのイラン攻撃、カンボジア経済に及ぼす波及リスク

<写真:khmertimeskh.com>

 

米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、中東情勢が緊迫化している。原油価格は急騰し、アジア株式市場は下落した。専門家は、紛争が長期化した場合、カンボジア経済にも広範な影響が及ぶ可能性があると警告している。

 

カンボジア投資管理ホールディングス(CIM)のアンソニー・ガリアーノ最高経営責任者は、紛争の拡大が燃料価格の上昇やサプライチェーンの混乱を通じて製造業に打撃を与えると指摘する。

 

輸送費や原材料費の上昇に加え、世界的なインフレ圧力や失業リスクの高まりが外需を冷やす恐れがあるという。特に縫製、観光、不動産、銀行の各分野は影響を受けやすいとみられる。

 

原油供給については、石油輸出国機構(OPEC)が増産方針を示していることから、直ちに逼迫する状況にはないとの見方もある。

 

しかし、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の動向が最大の焦点である。同海峡については、イラン革命防衛隊が「事実上封鎖した」と表明したとされ、海上物流の混乱が懸念されている。

 

観光業も逆風に直面している。中東地域での空域閉鎖や航空便の欠航が相次ぎ、国際移動の制約が拡大している。エネルギー価格の上昇や世界景気の減速が重なれば、外国人観光客の減少は避けがたい。

 

不動産市場も海外投資家の動向次第では回復基調が損なわれる可能性がある。製造業や観光の低迷が不良債権の増加を招けば、その影響は金融部門にも波及しかねない。

 

カムテック大学中国・ASEAN研究センターのトン・メンダビッド副所長は、ホルムズ海峡が閉鎖されれば、世界的な原油価格の急騰と供給不足を引き起こし、カンボジア経済に深刻な影響を及ぼすと指摘する。

 

燃料価格の上昇は製造コストや海上運賃、物流費を押し上げ、企業と消費者双方の負担を増大させる要因となる。

 

さらに、戦争を巡る不確実性や原油市場の変動は資本移動を不安定化させ、対外ショックに対する同国経済の脆弱性を高める可能性がある。

 

カンボジア・中国商業協会のロル・ビチェット副会長は、外国投資家が投資判断を先送りする事態も想定され、国内総生産(GDP)の見通しに影響を及ぼしかねないと述べた。

 

政府内でも警戒感が強まっている。外務国際協力省は声明で、情勢を深刻な懸念をもって注視していると表明し、関係当事者に対し、民間人被害の拡大と地域の不安定化を回避するため最大限の自制を求めた。

 

専門家は、燃料価格の安定化策や石油輸入に対する税制措置の検討、戦略備蓄の確保、低所得層支援の強化などを通じ、最悪の事態に備える必要があると提言している。中東情勢の帰趨は、カンボジア経済の先行きを左右する重要な局面となっている。

 

 

 

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