2016年、マラリア症例数の激減

2016年、マラリア症例数の激減
2017年02月10日 00時00分 公開
2016年、マラリア症例数の激減

昨年、カンボジアでのマラリアの発症件数が2015年の半分以下に減少したが、専門家や最近の研究結果によれば、メコンの一部地域におけるアルテミシニン抗マラリア原虫の出現と広がりは、深刻な脅威となっているという。
保健省の国立マラリアセンターは昨日、2016年のマラリアに関する報告を公表した。それによると、2015年の発症件数は5万1262件、2016年の発症件数は54%減少して2万3627件、2015年マラリアによる死者は10人だったのに対し、2016年はわずか1人と報告された。
2011年の感染件数が11万2057件で死者が93人だったことと比較すると、この5年間で急速に減少している。
同センターのフイ・レコル理事長は、昨日寄せられた複数のコメントには答えなかったが、報告によると、この5年間で急激に減少したのはより良質な予防方法と蚊を媒介して蔓延する病気だという認識が市民の間に広まったためだという。
バンコクのマヒドン大学熱帯医学科のShokloマラリア研究団体の理事長フランソワ・ノストン教授は、カンボジアのマラリア発症件数が減少しているのはいい知らせだが、それは早期発見やより良い治療法によって抑制できるようになった代表例だという。しかし、病原菌は隠れているだけで、耐性をつければすぐに戻ってくるだろうと述べた。
これは過去すでに同じことが起こっており、マラリアを制御するだけでなく、排除することが優先課題であるという。
2016年にWHOが出した報告によると、2008年にカンボジアで確認された熱帯熱マラリア原虫に関連した症例のうち、60%弱の原虫が抗マラリア薬に耐性があるという。
WHOカンボジアのマラリアプロジェクトのリーダー、ルシアの・トゥセオ医師は、従来のジヒドロアルテミシニンとピペラキンによる療法DHA-PIPが失敗におわったことを受けて開発された、アーテネスネイトとメフロキンによる治療法ASMQがマラリアの発症件数減少に重要な役割を果たしていると述べた。
DHA-PIPによる失敗率が10%~50%だったのに対し、ASMQによる失敗例は今のところ報告されていないとトゥセオ氏は語る。
カンボジアの保健省は主にドナーを含む協力者とのマラリアプログラムで、2020年までに悪性マラリアを排除するために取り組んでいるという。
しかし、イギリスに拠点を置く医学雑誌The Lancetに掲載された研究では、メコン地域の他のマラリア原虫を退治するアルメミシニン耐性P・ファルシパルム系統の出現とその拡大は、世界的なマラリア制御とマラリアを排除できると期待されている。
 
研究者らは、熱帯熱マラリアの治療が困難となる前に、アジア地域におけるマラリア駆除の緊急性を再確認するため、これらの研究が役立つことを願っているという。
 
 
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