税関手続き オンラインへの移行急務

税関手続き オンラインへの移行急務
2016年12月05日 00時00分 公開
税関手続き オンラインへの移行急務
サン・チャントル運輸大臣は「税関当局は、運輸を迅速化させ、不正に賄賂を受け取っている仲介業者を排除するためにも国際貨物運送に関してオンライン事前登録システムの導入を早急するべきだ。」と話した。また、「越境時の手続きは全て手動だ。オンライン登録サービスが今必要とされている。徐々にオンライ事前登録を普及させることで、ベトナムやラオス、タイからの国際運送も容易になる」とコメントした。

公共事業運輸省が国内物流コスト削減を目指すフン・セン首相の許可のもと開催している国家物流評議会の発展を模索する研究集会でチャントル運輸大臣は発言した。チャントル氏は、「世界銀行が発表している物流パフォーマンス指数(LPI)の引き上げを目指し、車両登録及び運転免許証申請のオンライン化に加えて、税関手続きオンライン化に政府は取り組む」と述べた。カンボジアのLPIは所要時間と輸出の容易さの向上で2014年の83位から2016年は73位に上昇した。しかし、インフラ整備と税関環境のポイントは2年連続下がった。
チャントル氏はカンボジアLPI指数の引き上げに熱心だ。「現状に満足するだけではだめだ。LPI指数を改善するには、省庁が敷いている仕組みを改革すべきだ。物流コストは隣国諸国と比べるとまだ割高だ。」とコメントした。運送物の越境時オンライン管理が実現したら、カンボジアの物流部門において出荷遅延の原因となっている仲介業者を排除することができるという。この仲介業者は不正に賄賂を享受している。カンボジア貨物運送業者協会(CamFFA)会長のシン・チャンシー氏は、「不要な仲介者を排除するためなら、どんな手段も歓迎する。」と述べた。また、「仲介業者による不正な手数料や賄賂が完全になくなるまで、カンボジアの割高な物流コストは引き続き問題となるのは明白だ。非公式に請求される手数料や賄賂で問題なのは、払い戻しを求める際、すべての費用を税務部門に登録することができないことだ。」と述べた。

税関総局技術部長のファ・エング・ヴェン氏は、「オンライン税関登録は便利な一方、電子商取引法を政府が認めるまで、そのようなシステムを採用するのは難しい。」と述べた。「支払いを容易にし、電子文書を扱うことができる電子商取引法が成立するまで、税関当局は当面苦労を強いられるだろう。」とコメントしている。

「今、関税当局は到着前通関制度を立ち上げ、必要手続きを継続的に更新して国境管理機関に通告している。オンライン登録には利点があると言われているが、関税当局が採用している通関システムは税関貨物ブローカーにほとんど使用されておらず、職員はすべての国際貨物をそれぞれ検査しなければならない。」とコメントした。

カンボジア国家物流評議会を発展させるために尽力しているタイのタマサートビジネススクールの准教授であり世界銀行のコンサルタントであるルース・バノムヨン氏は、「オンライン通関手続きは、高額運送費用の改善に必要な1つの手段でしかない。」とコメントした。「カンボジアは、物流のあらゆる側面を考慮した包括的な戦略を策定する必要がある。現在、輸入手続きは比較的容易であるが、輸出手続きはその限りではない。」と続けた。

同氏は、「物流企業は時間に敏感です。遅延を避けるために賄賂を支払うよう圧力をかけられていることも珍しくはない。物流会社は顧客と交わした期限内に納品しなければならず、信頼関係の構築が必要だ。税関手続きに2日から5日時間を食われ、数時間で税関手続きをする場合は多額の賄賂を払わなくては行けない現状は良いものではない」と現状を語った。

バノムヨン氏は、カンボジアが競争力を維持するためには物流面における包括的な戦略が必要だと考えている。また、ASEAN諸国が政府主導の計画で問題の改善に取り組んできたのに対し、カンボジアは制度面から問題の改善に取り組むようだとみている。

「ベトナムが国家物流のプランを策定することに焦点を当てている一方、カンボジアはタイが行ったように制度面から問題の改善を図ろうとしている。しかし、実際は物流プラン構築と制度面の充実化が両立できなければ意味がない」とバノムヨン氏は話した。

 
Source: phnompenhpost.com
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