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<写真:Khmer Times>
カンボジア国立銀行(NBC)の2023年版「金融安定報告書(FSR)」によると、同国における米ドル化は依然として高水準であり、現地通貨リエルのシェアはわずかに上昇した程度であった。
NBCによると、銀行の貸付に関しては、大多数の融資が依然として米ドルで行われているが、リエルでの融資も緩やかに増加している。
リエルの使用増加は、NBCによる流動性の増加策の影響とされる。
NBCは報告書で「譲渡性預金証書(NCD)および流動性提供担保オペレーション(LPCO)は、NBCがインターバンク市場の発展を支援するために実施している主要な金融政策ツールである」とした。
同報告書によれば、米ドル建てNCDの発行総額は52億ドルで、前年比較で84.5%減少しており、リエル建てNCDの発行総額は17兆リエルで、2.1%減少している。
NBCは「米ドルおよびリエル建てNCDの発行減少は、市場需要の低下によるものである」と指摘した。
さらに、インターバンク市場の発展を促進し、現行の市場動向に合わせるため、NBCは2023年2月からNCDの発行方法を需要ベースからオークション入札方式に変更した。
2023年にLPCOは32回実施され、総流動性として2兆5000億リエルを提供し、2022年と比較して64.3%の増加となった。
NCDおよびLPCOに加えて、マージナル・レンディング・ファシリティ(MLF)も創設された。
MLFは短期流動性をリエルで提供し、NCD(リエルおよび米ドル)および政府証券を担保として使用することが可能である。
32の銀行金融機関(BFI)がMLFの利用許可を受け、そのうち1つの商業銀行が総額1200億リエルの一日満期で施設を利用した。また、年利は2023年10月末から4%から6%に引き上げられた。
NBCによると、KHQRおよびBakongシステムは人気を集め、リエルの使用促進に貢献した。
しかし、NBCはインフレーションが低下した一方で、金融の米ドル化は高止まりしていると指摘する。
カンボジアのインフレーション要因としては、食料や石油・ガスの価格上昇が挙げられる。
NBCは世界のインフレーション水準についても分析し、世界経済の回復は続いているが、その速度は鈍化しているとした。
NBCは報告書で「負の国際収支、財政収支、安定した為替レート、低インフレーション、十分な国際準備金が、カンボジアの経済全体の回復力を確保していることを証明している」と述べている。
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