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<写真:Khmer Times>
米国商工会議所カンボジア支部(AmChamCambodia)は20日、2024年版「ビジネス環境調査報告書」を発表した。
本報告書は、カンボジアに拠点を置く500社以上の企業の意見を集約したものである。
調査結果によれば、多くの企業が2024年に利益拡大や投資拡大を計画しており、市場環境の戦略的な魅力を背景に、全体的に楽観的な成長見通しを示している。
一方で、法律制度の透明性や電力・物流コストといった課題が、投資成長を阻む要因として指摘された。
調査は2024年5月から6月にかけて、米商工会議所の会員企業やカンボジア商務省(MoC)のオンライン企業名簿に登録されている企業代表者を対象に実施された。
最終的に542社から回答が得られ、そのうち110社はAmCham会員企業または米国資本の企業であった。
回答企業の多くは小売業やサービス業、教育分野に従事しており、調査では主要な洞察が得られた。
利益と投資拡大の見通しとして、70%以上の企業が2024年の利益拡大を見込み、65%以上が市場での投資を増加させる計画を持っている。
また、市場競争力の向上として、過去10年間で年間平均7%のGDP成長率を記録したことや、新型コロナウイルス感染症からの経済回復が、市場の競争力を高めている要因とされた。
調査によれば、外国企業がカンボジア市場を評価する要因が複数挙げられており、1つ目は100%外資所有の許可として、現地パートナーを必要とせず、企業の完全所有権と知的財産権を保持可能なことが大きな利点とされた。
2つ目は米ドルの使用であり、市場で米ドルが通貨として使用可能なことは経済の安定性を支えるとともに、国際的な投資・貿易を容易にすると評価されている。
3つ目は地理的な優位性として、カンボジアが東南アジア地域の中心に位置し、近隣の主要経済圏との迅速な連携が可能である点が強調された。
さらに、政治的安定性や優遇税制、自由貿易協定(FTA)の存在も、重要な投資促進要因として挙げられている。
特に、カンボジア・中国自由貿易協定やその他のFTAが、世界的な輸出市場へのアクセスを促進しているという。
また、デジタルインフラの進展が、特に電子商取引(Eコマース)やフィンテック分野で新たなビジネス機会を創出しており、インターネット普及率の向上やデジタルリテラシーの進展により、これらの分野での成長が期待されている。
一方で、調査では課題も指摘されており、規制の不確実性として、法律や規制の解釈や執行に一貫性がなく、リスクが高いと感じる企業が多いという。
他には他国と比較した際の電力コストの高さや供給の信頼性、物流インフラ改善の必要性が挙げられている。
同報告書はカンボジア市場の持続可能な発展に向けた指針として重要な役割を果たすことが期待される。
国内外の投資家が直面する課題を解決することで、同国のビジネス環境が一層魅力的になる可能性が示唆されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。